2020年、英国のアナログレコードの売上は過去30年間で最高の年になる見込み。新型コロナウイルスのパンデミックの影響でライヴ・イベントに参加できないファンがお金をレコード・コレクションに使っているためと指摘されています。
英国の今年のアナログレコードの売上は10%近く増加しており、2020年末には1億ポンド(約138億円)の大台を突破しそうな勢いで、1990年以来、最高の年となりそうです。販売枚数も昨年の430万枚を上回る見込みです。
英国では4月に、レコード、CD、カセット、DVDなどの音楽市場が、最初のロックダウンの影響で、ほぼ半減したことを考えると驚くべき回復ぶりです。
レコードやCDの英国最大の独立系販売業者であるProper Musicのマネージング・ディレクター、Drew Hillは
「ロックダウンの底から現在までに250%の成長が見られました」「業界にとって壊滅的な打撃を与えるかもしれないと思いましたが、ロックダウンの間にレコードを購入するような人たちは、おそらく本来なら同時にたくさんのライヴにも行っていたでしょう。彼らはそれができないので、ファンは毎月のライヴに行くために使っていたお金をレコードのために使っているようです」
と述べています。
パンデミックはまた、カセットテープの継続的な復活を後押しし、今年の売上はこれまでのところ85%増加し、全体の売り上げが100万ポンド(1億3800万円)を超えました。これは、カセットへの関心が復活されて以来初めてのことです。
ただし、エンターテインメント小売業者協会(ERA)によると、CDの状況はそれほど楽観的ではなく、ストリーミングの影響で減少は続いており、売上は前年比で30%減少しているという。この傾向が今年の最後まで続くと、CDの売上高は約1億5000万ポンド(約206億9000万円)で、1987年以来の最悪の年になるという。
Proper MusicのDrew Hillは、CDの人気が低下しているにもかかわらず、パンデミックがCDフォーマットの終焉を意味することはないと述べています。年間800万枚のCDとレコードを出荷している同事業の売上高は、今年に入ってさらに増え、3300万ポンドに達する見込みです。
Drew Hillは「ロックダウンの初期からCDは目覚ましいき回復を遂げました」と言い、最低だった4月から現在では毎週の売り上げが3倍になったと話しています。「4月にCDが死んだように見えたかどうかはわかりませんが、売上は当時の水準から目覚ましい回復を遂げました。もしCDが(パンデミックのために)急速的な下落に入っていたとしたら、このような反発が見られなかったでしょう」