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新型コロナ:ドイツの科学者たち、大規模な屋内イベントのリスクを調査するために1500人以上参加のコンサート開催

2020/08/23 18:24掲載(Last Update:2020/08/24 14:26)
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Restart-19 - CREDIT: Sean Gallup/Getty Images
Restart-19 - CREDIT: Sean Gallup/Getty Images
ドイツの科学者たちは、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、屋内で行われる大規模なイベントがもたらすリスクを調査するために、ソーシャルディスタンスのレベルが異なる3つのコンサートを開催しています。

このプロジェクトは「Restart-19」と呼ばれ、8月22日にドイツのライプツィヒにて、同国のシンガーソングライター、ティム・ベンツコを迎えて行われています。ティムは3つのコンサートすべてに参加しています。

英BBCによると、この実験には18歳から50歳までの約1,500人の健康なボランティアが参加しています(TMZは2,000人参加と報道)。ボランティアの参加者は、予想された数の3分の1にすぎませんでしたが、この研究の責任者は、イベントについて「非常に満足している」と述べています。

このコンサートの研究は、「パンデミック(世界的大流行)の期間に、このようなイベントが行われる条件を調査するために行われた」と科学者は述べています。

当日行われた3つのコンサートのうち、最初のものはパンデミック(世界的大流行)前のイベントをシミュレートすることを目的としたもので、安全対策は何も施されていませんでした。2回目は衛生面の改善とソーシャルディスタンスを確保し、3回目は人数を半分にして、人と人との距離を1.5メートル以上取るというものでした。

参加者は全員、参加前に新型コロナウイルスの検査を受け、ウイルスに感染していないことを確認。参加者は支給されたバルブ付きフェイスマスクを着用し、また他の装置との距離や会場内の位置などのデータを5秒ごとに送信するウェアラブルデバイスも与えられ、参加者の動きのデータが収集されています。

さらに参加者に蛍光色の手指消毒剤を使って貰うことで、科学者は参加者がどこに多く触れたかをUVライトを使って調べています。

主任研究員のステファン・モリッツ博士は「データ収集は非常にうまくいっているので、質の良いデータがあります。マスクの着用と消毒剤の使用というルールを守ってもらい非常に満足しています」と話しています。

研究の最初の結果は今秋に期待されています。

この実験にかかる費用は約99万ユーロ(約1億2275万円)で、費用はドイツのザクセン州とザクセンアンハルト州、およびマルティン・ルーサー大学ハルル・ウィッテンベルク校が負担しています。

ザクセンアンハルト経済・科学大臣 Armin Willingmann教授はイベント前に「感染のリスクがある限り、大規模なコンサートや見本市、スポーツイベントは開催できません。そのため、どのような技術的・組織的条件が効果的にリスクを最小限に抑えることができるかを見極めることが非常に重要です」と話しています

当日の映像・写真あり

【Update:2020/08/24 14:24】
TBSのニュース番組がこの実験イベントを紹介しています。ニュース映像はYouTubeチャンネル「TBS NEWS」でも公開されています