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ランバート、ヘンドリックス&ロスでも活躍 ジャズ・シンガー/女優のアーニー・ロスが死去 「Twisted」の元祖

2020/07/23 09:57掲載
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Annie Ross
Annie Ross
ジョニ・ミッチェルやベット・ミドラーも歌った「Twisted」の元祖。ランバート、ヘンドリックス&ロス(Lambert, Hendricks, and Ross)のメンバーとしても活躍したジャズ・シンガー/女優のアーニー・ロス(Annie Ross)が7月21日、ニューヨーク市マンハッタンの自宅で死去。彼女の元マネージャーであるジム・コールマンによると、死因は肺気腫と心臓病。ロスは89歳でした。

アーニー・ロスは1930年、イギリスのサリー生まれ。本名はAnnabelle Allan Short。彼女が4歳のとき、両親と一緒に米国に移住。その後、ジャズと映画の両方で長いキャリアを積むことになる。

1952年、ロスはワーデル・グレイが作曲したジャズ・ブルースの「Twisted」を作詞した。この曲はジャズの名曲となり、ベット・ミドラーやジョニ・ミッチェルによっても録音された。

1957年には、ジャズ・ヴォーカル・トリオのランバート、ヘンドリックス&ロスを結成。同年に、「Every Day I Have the Blues」やカウント・ベイシーのジャズ・スタンダード「One O'Clock Jump」を収録した1stアルバム『Sing a Song of Basie』を発表。1998年、このアルバムはグラミー賞殿堂入りを果たした。

1962年にランバート、ヘンドリックス&ロスを辞めた後、ロスはヘロイン依存、破産、離婚など苦難の時期もあったが、彼女は最終的には舞台芸術に戻る道を見つけた。1980年代半ばには、ベルトルト・ブレヒトの 『The Threepenny Opera』や『The Pirates of Penzance』など、ロンドンで数々の舞台作品に出演。また、イギリスのテレビ番組や、ロバート・アルトマン監督映画『ショート・カッツ』(1993年/ジャズ・シンガー役)にも出演した。

ロスは過去数十年の間に数多くのソロ・アルバムをリリースし、またカウント・ベイシーなどのジャズ界の巨人とのコラボレーション・レコーディングも行った。彼女の最後のスタジオ・アルバムは2014年の『To Lady With Love』だった。

ロスは2009年にASCAPジャズ・ウォール・オブ・フェイム賞、2010年にNEAジャズマスターズ賞、2011年にマンハッタン・アソシエーション・オブ・キャバレー・クラブ生涯功績賞を受賞した。