HOME > ニュース >

ボリビアのオーケストラ 新型コロナの影響で自国に帰れず 幽霊と狼が住むドイツの城で立ち往生続く

2020/05/26 18:33掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Rheinsberg Schloss & Orquesta Experimental de Instrumentos Nativos
Rheinsberg Schloss & Orquesta Experimental de Instrumentos Nativos
ボリビアのオーケストラは、コンサート開催のためドイツを訪れた後、新型コロナウイルスの影響で、自国に帰れず、3月10日以来、ドイツの城で立ち往生しています。英BBCによると、この中世の城には幽霊が住んでいると言われており、また周辺の敷地には23匹の狼が生息しているという。

ボリビアのオーケストラ「Orquesta Experimental de Instrumentos Nativos」は3月初旬、3回のコンサートを行う予定でドイツを訪れています。ツアーは2週間強になると予想されていましたが、実際に飛行機がドイツに着陸すると、オーケストラは、ドイツのベルリン地域が大規模イベントの禁止を発表したことを知りました。

カルロスと名乗るメンバーの一人は、不吉な前兆を思い出しました。「私たちのバスが高速道路で故障したんです。これは不運だ、コンサートが中止になるかもしれない、と冗談を言っていたのを覚えています」「でも実際に起こるとは思いませんでした」。

一行は帰路を求めて奔走しましたが、ボリビアの国境が閉鎖されるまでに実現できませんでした。ドイツも完全に封鎖されたため、オルケストラはベルリンから北西に車で約90分のラインスベルク城の広大な敷地にあるホステルで立ち往生しています。彼らはすでに70日間以上、そこに留まっています。

1560年に建てられたこのラインスベルク城は、フリードリヒ大王(フリードリヒ2世)が青年時代を過ごした城で、フリードリヒ大王はラインスベルクで過ごしたこの時期を「人生で最も幸せな年」と呼びました。そのため、彼の幽霊がこの地に出没することで有名です。

オーケストラのメンバーであるキャメド・マルテラによると、フリードリヒ大王の幽霊は話題になっているという。彼女は「フリードリヒの幽霊が私たちの後をついてきて、私たちをつまずかせようとしていると、みんな冗談を言っています。普段は信じませんが、敷地内に幽霊がいるような気がします」と話しています。

幸いなことに、幽霊はすべて音楽ファンだと言われています。

狼の群れの多さには驚きますが、オーケストラのメンバーであるトレイシー・プラドは、散歩中に3匹の狼を見たと言い、「恐怖で立ちすくんだが、彼らはただけんかをしていただけだった」と、オーケストラのメンバーが見たという数回のけんかは、恐怖というよりも可愛らしさを感じさせるものだったと話しています。

一行は、ボリビア大使館と電話で何時間も連絡を取り合っていますが、ボリビアに帰国させるための進展はほとんどありませんでした。ボリビアの外相は最近のインタビューで、取り残されたオーケストラについて尋ねられ、「最も弱い立場にある―女性、子ども、病人、高齢者」を家に連れて帰ることに焦点を当てていると述べ、オーケストラは優先順位が低いと述べています。