全米レコード協会(RIAA)の新しいレポートによると、2019年の米レコード音楽業界全体の売り上げは、2018年の98億ドルに比べ13%増の111億ドル(約1兆2260億円)。
成長を後押ししたのはストリーミングで、全体の売り上げの79.5%(計88億ドル)をストリーミングが占めており、この売り上げ88億ドルは、2017年の米レコード音楽業界全体の売り上げを上回っています。
ストリーミング全体の売り上げのうち、有料サブスクリプション(定額制)サービスは68億ドルで、前年比で25%増加し、ストリーミング全体の61%を占めています。一方、広告でサポートされるオンデマンド・ストリーミングも2018年に比べて20%増加しましたが、売り上げは9億800万ドルに過ぎません。
デジタルダウンロードは引き続き減少傾向にあり、2019年には前年比18%減の8億5,600万ドルに減少しました。デジタルダウンロードによる売り上げが10億ドルを下回ったのは2006年以来初めて。
フィジカル(CD、アナログレコードほか)の総売り上げは11億5000万ドルで、2018年からわずかに減少しました(0.6%減)。CDは12%減の6億1,500万ドルで、枚数は前年の5,200万枚から10.5%減の4650万枚となりました。
アナログレコードは14年連続で成長を続けており、前年比19%の5億400万ドルを記録しています。
CDは米レコード音楽業界全体の売り上げの5.5%を占め、またアナログレコードは4.5%を占めています。
全米レコード協会は2019年の中間報告で、同年末にはアナログレコードの売り上げがCDの売り上げを上回る可能性があると報告しましたが、最終的にCDがまだ上回っています。とはいえ、その差は確実に少なくなっており、この傾向が続けば、2020年にアナログレコードがCDを上回る可能性が高いです。米国でアナログレコードがCDを上回る売り上げを記録したのは1986年が最後です。