HOME > ニュース >

ポップ・カルチャーに何が起きたのか 世界を一変させた「黄金の10年」を総括する書籍『2010s』発売

2020/01/03 11:49掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
2010s / 宇野維正、田中宗一郎
2010s / 宇野維正、田中宗一郎
ポップ・カルチャーに何が起きたのか。世界を一変させた「黄金の10年」を総括する書籍『2010s』が新潮社から1月30日発売。2010年代のポップ・カルチャーの進化と変容を、それぞれのフィールドで見続けてきた2人、宇野維正と田中宗一郎が「黄金の10年」とその時代精神について徹底討論。日本の文化受容に警鐘を鳴らし、来る2020年代を展望する、過激で濃厚なポップ・カルチャー論。
■『2010s』
宇野維正 (著), 田中宗一郎 (著)

<内容>

ポップ・カルチャーに何が起きたのか――。
Lady Gaga, Rap Music, Spotify, Netflix, Marvel, Game of Thrones...
世界を一変させた〝黄金の10年〟を総括!

誰がインディロックを殺したのか?
ラップミュージックはいかにして世界を制覇したのか?
ストリーミング・サービスの革命――スポティファイとネットフリックス、
華麗に2010年代の幕を閉じた、社会を映す鏡としてのマーベル映画、
「物語の時代」を牽引した『ゲーム・オブ・スローンズ』……

政治や社会情勢とも呼応しながら、遥かな高みへと到達した2010年代のポップ・カルチャー。その進化と変容を、それぞれのフィールドで見続けてきた2人が、「黄金の10年」とその時代精神について徹底討論。日本の文化受容に警鐘を鳴らし、来る2020年代を展望する、過激で濃厚なポップ・カルチャー論。


【目次より】
はじめに――宇野維正

第1章 レディー・ガガとピッチフォークの時代
2010年代は2008年に始まった/レディー・ガガから火がついたアイデンティティ・ポリティクス/テイラー・スウィフトがインディロックを殺した?/ピッチフォークの功罪/レディオヘッドとLCDサウンドシステム/ジャンルの消失はいかにしてもたらされたのか

第2章 ラップミュージックはどうして世界を制覇したのか
ラップミュージックが世界の耳を変えた/それぞれの「ラップとの距離」/「サウス」であった必然/トラップが爆発的に広がった理由/マンブルラップは時代の徒花か/ブラック・ライブズ・マターとは何だったのか/カニエ・ウェストという特異点/メディア・コングロマリットとしてのラップミュージック

第3章 スポティファイとライブ・ネイション――民主化と寡占化
日本の音楽環境のガラパゴス化はいつ始まったか?/メディア化したフェスの弊害/田中宗一郎が雑誌をやめた理由/ライブ・ネイションとAEGによる興行の独占/メジャー・レーベルの再編成とインディ・コングロマリットの誕生/ストリーミング・サービスが主流となった必然/レーベルからデジタル・ディストリビューターの時代へ/ストリーミング・サービスがもたらしたグローバル化

第4章 ネットフリックス至上主義/市場主義
ピークTV時代と『ブレイキング・バッド』/『ハウス・オブ・カード』と『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』/『スタートレック』から始まったシンジケーション/フィンチャーとソダーバーグの脱出/カンヌとスピルバーグのネットフリックス論争/ディズニープラスの時代がやってくる?

第5章 MCU――ポスト・インターネット時代の社会批評
2010年代はMCUのディケイドだった/アメコミ・カルチャーとの接点/現代社会のアナロジーとしてのMCU作品/MCU体制の確立と傑作『ウィンター・ソルジャー』/『アベンジャーズ』シリーズのテーマの変遷/『エンドゲーム』のテーマは気候変動と格差社会/トニー・スタークが〝主人公〟であるべき理由/過剰なポリティカル・コレクトネス/MCUにおけるナラティブとコミュニケーションの刷新/役者のあり方の変容とハイコンテクスト化

第6章 『ゲーム・オブ・スローンズ』――ポピュリズムと分断の時代
『ゲーム・オブ・スローンズ』と2010年代音楽シーン/「物語」が「形式」を凌駕した時代/映画はテクノロジーとの並走をどこでやめたか/見過ごされてきた『ハンガー・ゲーム』の重要性/トキシック・ファンダム問題/『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章のバックラッシュ/アメリカ文化に対するアンビバレントな感情/2010年代のポップ・カルチャーを肯定する

おわりに――田中宗一郎

<著者について>

宇野維正(うの・これまさ)
1970年、東京都生まれ。映画・音楽ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌の編集部を経て、2008年に独立。著書に『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)、『くるりのこと』(くるりとの共著、新潮文庫)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(レジ―との共著、ソル・メディア)がある。

田中宗一郎(たなか・そういちろう)
1963年、大阪市生まれ。編集者、DJ、音楽評論家。広告代理店勤務、音楽誌編集を経て、96年から雑誌「スヌーザー」を創刊準備、15年間編集長を務める。現在は、合同会社ザ・サイン・ファクトリーのクリエイティヴ・ディレクターとして、記事コンテンツ、音声コンテンツをいくつものメディアで制作。