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クラフトワーク 20年におよぶサンプリング訴訟に勝訴 「他のミュージシャンの曲をサンプリングするには原則として承諾が必要」

2019/07/31 14:16掲載(Last Update:2019/07/31 14:21)
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Kraftwerk
Kraftwerk
クラフトワーク(Kraftwerk)は1999年、彼らの楽曲の一部をサンプリングして無断使用したとしてヒップホップ・プロデューサーのモーゼス・ペラムを著作権侵害で訴えます。

それから20年、欧州司法裁判所(ECJ/European Court of Justice)は7月29日

「レコード・プロデューサーは、録音の全部または一部の複製を承諾または禁止する独占的権利を有する。そのため、既存音源のサンプリングによる複製は、たとえ短いものであっても、オリジナル作品の複製であると見なされなければならず、オリジナルアーティストによって承認される必要がある。しかしながら、オリジナルの音源が聴覚で識別できないほどに変形させてサンプリングさせた場合においては、オリジナル作品の複製とは見なされない。そのため承諾なしに使用できる可能性がある」

という判決を下しています。

この訴訟は、プロデューサーのモーゼズ・ペラムとマーティン・ハースが、ドイツの女性ラッパー、サブリナ・セトラー(Sabrina Setlur)に提供し1997年にリリースされた楽曲「Nur Mir」の中で、クラフトワークの「Metal on Metal(ドイツ語:Metall auf Metall )」のドラムビートを2秒ほどサンプリングしてループ使用したことが著作権侵害に当たるかどうかを争っていたもの。「Metal on Metal」はアルバム『ヨーロッパ特急(英:Trans-Europe Express)』収録曲。

この20年の間、2012年にはドイツの連邦裁判所が著作権を侵害しているとし、クラフトワーク側が勝訴。その後モーゼズ・ペラムらプロデューサー側が控訴し、2016年には、ドイツの連邦憲法裁判所が、クラフトワークへの影響は「芸術的自由」を上回らなかったと判断し、著作権侵害には当たらないとクラフトワーク側の主張を退ける判決を下していました。その後の控訴で欧州司法裁判所で争っていました。

欧州司法裁判所は、欧州連合(EU)における最高裁判所に相当するだけに、英BBCなどの海外メディアは今回の判決は音楽業界に大きな影響を与える可能性があると報じています。

Kraftwerk「Metall auf Metall」


Sabrina Setlur「Nur mir」