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灰野敬二とMUSQISの競演録音盤が7月発売

2018/06/07 14:22掲載
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灰野敬二+MUSQIS / 灰野敬二 MUSQIS
灰野敬二+MUSQIS / 灰野敬二 MUSQIS
灰野敬二とMUSQIS(ムスキス)の競演録音盤『灰野敬二 MUSQIS』が7月20日発売。リリース元はスローダウンRecords。

MUSQISは、マルチ奏者の野口英律を中心/媒介とする男女混合不定形演奏集団/音楽およびそれらに関わる集団、コミュニティー。録音は2017年10月9日に新宿JAMで開催されたMUSQIS主宰「NEUROGRYPH 33」にて行われています。

以下インフォメーションより

本作の音楽性は、Nazoranaiなどの録音・演奏にいっけん近い。だがそれはあくまで表面上の結果論であって、その音楽が生まれるためには両者ともに音楽の零地点から始める必要があった。じじつ、本演奏・録音は、事前打ち合わせやリハーサルなしの状態で演奏を行ったという。それは恐るべき緊張感を伴うステージであったはずだ。特にムスキスのメンバーにとっては……。
じっさい両者の競演録音である本作を聴くと、張りつめた糸のようなピリピリとした緊張感が伝わってくる。打ち合わせなしの演奏であり、どうなるのか先が読めない状態での演奏であったというのだから当然だ。両者は音楽/演奏の只中に、それぞれが身一つで対峙している。
まったくもって強烈なアンサンブル体験である。強く、柔らかく、硬く、そして緊張感に満ちている。この30数分の演奏のあいだ、あらゆるものに限定されない「音楽/ロック」の唯物論的な「魂」が生成してもいる。その音の渦は激しく、禍々しく、強烈で、溶けてしまいそうなほどに美しい。孤高であり、安易に流通しえないものだ。「他」を意識しつつ、安易な同調を拒否しているからだろう。それは演奏と音楽による他者への「礼/儀」の持続と生成といえる。 
そう、本作の緊張感に満ちた音楽と演奏は、互いの存在を意識しながらも、しかしそれぞれが個を主張し、そのうえで別個の存在となっていく、その過程のドキュメントのように思えてならない。  デンシノオト