シャア・アズナブル - 機動戦士ガンダム (c)創通・サンライズ
なぜアムロではなく、シャアに魅せられてしまうのか? NHK BSプレミアム『セカンドの美学「シャア・アズナブル」』が4月28日(土)放送。ガンダムのシャアはなぜこんなにも愛されるのか?主役を凌ぐ人気を誇る2番手の魅力をファンや関係者に徹底取材。シャアが生んだ数々の名言・名シーンもたっぷり紹介します。
●『セカンドの美学「シャア・アズナブル」』
NHK BSプレミアム 2018年4月28日(土) 午後11:45〜午前0:45(60分)
アニメ「機動戦士ガンダム」で、主人公・アムロをしのぐ人気を誇るシャア・アズナブル。人はなぜ脇役つまり2番手“セカンド”に心ひかれるのか。「シャアによって人生が変わった」という全国各地のファンや、生みの親である制作者たちなどシャアを愛する人たちを3人のディレクターが徹底取材し、その魅力を明らかにしていく。そしてシャアが生んだ数々の名言・名シーンもたっぷり紹介。
【出演】古谷徹,潘恵子,潘めぐみ,アニメ監督…安彦良和,【語り】福圓美里
<番組スタッフより>
なぜか、主人公よりも脇役に惹ひかれてしまう……。そんなことってありませんか?
ヒーローの陰で独特の存在感を放つ脇役「セカンド」の魅力は何かを掘り下げる番組「セカンドの美学」。今回番組で取り上げるのは、「機動戦士ガンダム」のシャアです! 敵役でありながら、主役のアムロをしのぐ人気を誇る“赤い彗星すいせい”のシャア。人々がシャアに魅せられる秘密を探るべく、さまざまな人にインタビューしながら、検索サイトでヒットしたワードを追跡していきます。
番組の見どころを、取材班の一人で、今なお絶賛取材中の今村拓実ディレクターに聞いてきました!
取材テーマは、「名言」「バブみ」「女性目線」
──なぜ“セカンド”に着目しようと思われたのですか?
そもそも僕自身が、主人公よりもライバルキャラや脇役という、いわゆる“二番手”が好きなんです。「NARUTO」だとナルトよりサスケやカカシのほうが好きだし、「スラムダンク」なら桜木花道より宮城リョータや三井寿派。漫画の人気キャラクターランキングなどを見てみても、主人公に引けを取らない票数で脇役が上位にランクインしていますし、そこから、なぜ人は脇役キャラに惹かれてしまうのかについて調べてみようと思ったんです。
──“セカンド”の中でも、シャアにスポットを当てようと思われた理由は?
先程挙げた「NARUTO」のサスケは40?50代の方はあまりご存じないですし、逆に上の世代の方々にとって絶対的な存在の『巨人の星』の花形 満なんかは、僕ら20代はピンとこない。世代を超えて誰もが知っているセカンドってどのキャラクターだろうと考えたときに、シャアの名前が挙がったんです。
──具体的には、どんなふうにシャアの魅力を掘り下げていくのでしょうか?
今回、僕を含めて3人のディレクターが、おのおの別のテーマで取材を進めているんです。ひとつが「名言」。検索サイトで「シャア」と入力すると、いくつか検索候補が出てきますよね。そのいちばん上に出てくるのが「シャア 名言」なんです。そもそも「アニメ名言ランキング」なんかでも、シャアの言葉は上位にあがってきます。そんなことから、「名言」は外せないテーマだということになりました。
2つめのテーマは、「バブみ」です。5?6番目くらいに出てきた検索候補なのですが、そもそも「バブみ」って何のことか分かります? 調べてみると、「年下の女性に母性を感じること」を示すネット用語だそうで、「バブー」という赤ちゃんの声を名詞化した言葉だとか。
シャアが年下女性に「私の母になってくれたかもしれない女性だ」と告げる場面があることから、「シャアはバブみを感じている」=「シャアは年下女性に母性を感じている」と言われているそうなんです。「シャアといえば、強くてカッコよくてクール」というイメージしかなかった僕にとっては、とても意外なことで。とにかく謎だらけの検索ワードだということで、こちらについても掘り下げてみようとなったんです。
そして3つめのテーマが、「女性目線」。これはガンダムのファンは男性が多い中で、「じゃあ、女性からはどう見られているんだろう?」という疑問について取材しようということになりました。
最終的に見えてくるゴールとは……?
──どんな方に取材されているんですか?
お台場や秋葉原にあるガンダムカフェに行ってみたり、そこで取材した方から知り合いを紹介していただいたりして、とにかくファンの方に話を聞いています。フェイスブックで「テーマ“シャア”でオフ会をやります」という書き込みを見つけて、長崎まで行ったこともありましたね。
──現在まだ取材中とのことですが、結論のようなものは見えてきましたか?
……実は、まだ取材中ということもあって、3つのテーマすべてを総括するようなゴールは見えてないんです。ですが、各テーマごとにはおぼろげながら見えてきているかな……。例えば僕が担当している「バブみ」ですが、ガンダムファンの方に「シャアって年下女性に甘えるキャラだと言われてますよ」という言葉をぶつけると、皆さん「わかるわかる」と納得されるんです。
「そうやって甘えたい願望があるのは、過去のバックボーンがあるからこそ。ただ強いだけじゃなく、弱い一面があるからこそ、シャアは魅力的なんだ」と。それを聞いて、人を惹きつけているのは、シャアの強さでもかっこよさでもなく、弱さだったり人間くさいところなのでは、という結論が見えてきたんです。
今後の取材次第で、まったく違う結論に到達することも十分考えられます。そういう意味でこの番組は、ドキュメンタリー要素の強い番組といえるのかもしれません。
──最後に、番組の見どころを教えてください。
ガンダムのアニメ映像もふんだんに出てきますし、また、ファーストのキャラクターデザインをされた安彦良和さんや、アムロの声優をされている古谷 徹さんなど、制作サイドの方々にもインタビューしているので、ガンダムファンの方々には喜んでいただけるんじゃないかなと思います。もちろん、ガンダムをそんなに知らない方にも楽しんでいただけるような作りにもしているので、ぜひご覧いただきたいですね。
アムロ役の声優・古谷 徹さんのインタビューも。
また、さまざまな方に取材していますが、どんなワードで検索したらその取材対象者に行き着いたのかを、常に画面上に明示しています。視聴者の皆さんは、ご自身のスマートフォンなどで同じワードを検索しながら番組を見ていただくことで、僕たち取材班と一緒に、シャアの魅力を探っていく感覚を味わっていただけると思います。ぜひスマホ片手にご覧ください。
今なお取材中だという「セカンドの美学」。どんな結論が飛び出すのでしょうか? 番組をお楽しみに!
※番組ページ
http://www4.nhk.or.jp/P4897/