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『麗しき70年代ロック・スター伝説 8ビートギャグ リターンズ』刊行記念シマあつこトークショー レポート到着

2018/03/23 18:42掲載
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麗しき70年代ロック・スター伝説 8ビートギャグ リターンズ
麗しき70年代ロック・スター伝説 8ビートギャグ リターンズ
美形ロック・スターを主人公にしたロック漫画で一世を風靡した漫画家“シマあつこ”による復活「8ビートギャグ」。『麗しき70年代ロック・スター伝説 8ビートギャグ リターンズ』の刊行を記念した、シマあつこのトークショーが3月15日に開催されています。当日のレポートが到着

以下シンコ-ミュージックより


シマあつこさん 

『麗しき70年代ロック・スター伝説 8ビートギャグ リターンズ』刊行記念シマあつこトークショーが3月15日紀伊國屋書店新宿本店にて開催された。
司会進行はジンジャー鈴木さんが担当。

ジンジャー鈴木:本日はお忙しい中お集まりくださいましてありがとうございます。司会進行を務めますジンジャー鈴木です、よろしくお願いいたします。シマ先生はギャグマンガ家ですので、おかしな事をいったらどんどん突っ込みを入れてください(笑)、では先生をお迎えするのですが、私が“シマせんせ〜、あっこちゃん〜”と呼びますので、みなさん“好き好き!”ってコールしてくださいね。それでは、“シマせんせ〜、あっこちゃん〜”
(会場):好き好き〜〜〜!
鈴木:大拍手でお迎えください、改めまして「8ビートギャグ リターンズ」の作者シマあつこ先生です!(大拍手)
シマあつこ:みなさんこんにちは。私も楽しみにしていましたので、みなさんリラックスして楽しんでいってください。よろしくお願いいたします。
鈴木:自費出版以外では17年ぶりの「8ビートギャグ」の新刊発売おめでとうございます。

シマ:元々シンコーミュージックさんからお話をいただいていて、70年代を素材にしたマンガを2〜3本描いていたんです。それがまさか一冊の本になるとは思ってもいなかったんですけど、昨年企画会議を通った段階で、描き下しをしようと夏くらいから描きためてました。70年代のを描くのは本当に楽しかったです。
鈴木:「8ビートギャグ」で、デビューされたのがちょうど1980年。描いてらっしゃったアーティストは80年代が多いんですけど、元々ロックを聴いていたのは70年代なんですか?
シマ:ラジオを聴き始めたのがちょうど70年ぴったりなんですよ。この本「8ビートギャグ リターンス」の最初の所でビートルズを描いたんですけど、ビートルズが解散しました!っていう年だったんです。それでロックやポップスの番組を聴いてどんどんロックにハマっていって、その頃は学生だからお小遣いが少ないので音楽雑誌を買ってなくて、だからどんな人が演奏しているのかわからなくて、曲を聴いて、“あ〜〜いいなぁ”って思ってたんです。それでレコードを買ってジャケットを見て、“あ〜こういう人が歌ってるのか”って。
鈴木:ジャケットで初めて知ったんですか!ビートルズって今や教科書にも載るような歴史上の人物ですよ(笑)。
シマ:まさか載るとは(笑)。
鈴木: 70年代はどんなレコードを買い漁ってたんですか?
シマ:まずビートルズを遡って全部聴いて、それからディープ・パープルとかレッド・ツェッペリンとかハードな方へ行って。その頃グラム・ロックも流行ってたので、マーク・ボランやディヴィッド・ボウイとか色んなのをみんな聴いてました。それで、その頃からチョコチョコっと描き始めて。
鈴木:みんな美形の人ばっかり。
シマ:そうでもないんです(笑)。
鈴木:どういう感じで、<この人を描いてみたい!>ってインスピレーションが来るんですか?
シマ:やっぱり強烈な個性の人ですね。インタビューとか読んでも滅茶苦茶やってる人が多かったじゃないですか。
鈴木:テレビを壊したり。
シマ:壊したのをホテルの窓から投げたり。ああいうのを見ると、“あぁ描いてみたいなぁ”って。だってマンガよりも上を行ってるじゃないですか。そういうのがすごく魅力的で。私、洋楽のミュージシャンを描いてて、どんなことを描いてもファンの方からは文句が来ないんですよ。
鈴木:暴れても(笑)。
シマ:だって本人の方が凄いんですから。
鈴木:描きたい放題。
シマ:いい時代だったんです。80年代もそういうところはありましたけれど、70年代は特に。
鈴木:「8ビートギャグ」にこの人を取り入れよう、この人は要らない…といったご自分の中でのオーディションみたいなものはあるんですか?
シマ:ちょうど皆さんが読む頃に来日する人だと盛り上がるなぁ──とか、そういうのはちょっと狙ってました。
鈴木:今回の本のなかで、えっ?この人って「8ビートギャグ」にも出てくる人なの?って人を何人か見つけたんですね。ベイ・シティ・ローラーズはまだ分かるんですけど、ELP(エマーソン、レイク&パーマー)とか真面目なプログレで。
シマ:一応プログレは聴いてました。キース・エマーソンは対談をさせていただいた青池保子先生が描いてらしたし、私も大好きだったので。あとは特徴のある人。
鈴木:エラが張ってる人とか(笑)。美形なんだけどエラが張ってる人描いてらっしゃいますよね。
シマ:やっぱりマンガですからね。
鈴木:“この人カッコいい!”って憧れのロック・スターっていたんですか?
シマ:70年代はやっぱりロバート・プラント。描きがいがあるというか、少女マンガの主人公みたいで憧れました。歌声もルックスも。
鈴木:そこでフレディ・マーキュリーとは言わない(笑)。
シマ:(笑)、でも大好きでした。強烈でしたから。
鈴木:いっぱい出てきますものね。至る所に(笑)。やっぱり少女マンガ風なアーティストの方が当時のタイプに合ったんですかね。だから少女マンガも好きで、ロックも好きで、そんな高校時代を過ごして、それで描いて描いて描いて結果マンガ家になっちゃうのって凄いと思います。
シマ:自分ではそうは思ってないんですけど。気がついたらなってました。
鈴木:授業中、教科書に落書きした派?
シマ:載ってる偉人とかの顔を消しゴムで消して、鉛筆で髪やひげを描き足してミュージシャンにするのを授業中やってました。そうしたらクラスの他の子が、“あ、私の教科書もジョン・ディーコンにして!”って。(場内爆笑)台詞を描いたりしてました。
鈴木:そういうの集めて偉人のイラスト集作っても面白そう。で、少女マンガが好きでロックが好きで、そういうマンガを描いていた人が青池保子先生とお会いしてどうだったんですか?
シマ:最初、編集部から“対談は誰とやりたいですか?“って聞かれたんですけど、私の中では青池先生しかなくて、“青池保子さん”って言ったんです。でも、“期待しないでくださいね”って言われて。それで12月の最後の方で、この日が空いてる──というのがあったんですけど、やっぱり“期待しないでくださいね”って。最後は私の作品を見て決めます──と向こうは仰ったので。
鈴木:オーディション!
シマ:少女マンガを描いていた頃は、好きなあまり、絵が青池先生に似てきちゃってたんです。それで、どう頑張っても青池先生にはなれない!プロになるんだったら同じかそれ以上にならないと漫画の世界でやっていくのは無理!と思ったので、“じゃあ少女マンガは辞めよう”と辞めたんです。それを青池先生に言いたくて(笑)喋りまくりました。だって一生会えない方だと思ってましたし、私はマンガの編集部にいたわけでもないので、全くつてがなくて。
鈴木:お会いするときもワナワナワナと。
シマ:OKが出て、ワクワクで行ったんですけど、私がずっと喋ってて(笑)。とにかく<少女マンガを辞めたから、こういう「8ビートギャグ」の方向に行けたこと>のお礼が言いたくて。青池先生は“少女マンガ家の夢をあきらめちゃったんでしょ、悪いことしちゃったわね”って仰ってくださったんですけど、それがこういったマンガを描くきっかっけになったので、本当に感謝してますってお伝えしたんです。
鈴木:それがなかったら本も今日のこのイベントもなかったわけだし。

<マンガ家への第一歩>

シマ:その頃同時進行でギャルマンガっていうかイラストを描いて、いろんなロック雑誌に4コマとか1コマとか投稿しまくってたんです。そうしたらたまたま音楽専科社さんの方から“連載してみないか?”って声がかかって。ずいぶん無謀なことを言う人だな、と思ったんですけど(笑)、後先を考えないで“やります!”って言ったんです。最初はジャパンを中心に描いて欲しいって言われたんですけど、連載を続けていくうちにぶっつけ本番でいろんなアーティストを描くようになって。80年代っていろんなアーティストがいたじゃないですか。
鈴木:実は今日初めて言いますけど、私も音楽専科に似顔絵を投稿して載ったことがあるんです。
シマ:うそ?!(笑)
鈴木:それがジューダス・プリーストのK.K.ダウニングとグレン・ティプトンの間に伊藤政則さんが挟まれてるちょっとホモっ気がある絵(笑)。私、14歳で。でも編集部から電話一つこなかったですよ(笑)。やっぱり描いたアーティストが悪かったんですかね。
シマ:私が投稿したのはジャパン。
鈴木:失敗したぁ〜〜。人生ってわからないもんですね。で、いきなりジャパンを描けと。
シマ:ギャグだったからよかったんです。最初デヴィッド・シルヴィアンがわりと中心だったんですけど、これが描いてるうちに勝手に動き出しちゃったんです。マンガの中ではいろいろセリフを言ってるんですけど、私は何にも考えてなくて、描いてるうちに勝手に言い始めて。みなさんが面白いって思ってくださるマンガって、そういうキャラクターがいないと成り立たないと思うんです。そういう意味では、もうデヴィッド・シルヴィアンに感謝──本人はどう思っているか知りませんけど(笑)。まぁ、そういうキャラがいたお陰でここまで来たっていうか。
鈴木:やっぱりイジリ倒したい(笑)んじゃないですか。奇麗にデヴィッド・シルヴィアンやマイケル・モンローを描かれますけど、マンガの中ではみんな(パーの仕草)ですよね(場内爆笑)。それはやはり可愛さあまって憎さ百倍みたいな。
シマ:そうですね(笑)。
鈴木:それで、また悪意が──。なぜデヴィッド・シルヴィアンはあのままなのに、ミック・カーンは眠たそうな顔で(笑)。
シマ:私、ミック大好きだったんですよ。
鈴木:でも、リッチー・ブラックモアとかの芸者姿とか、昔から読んでくださってる方は絶対どこかに悪意を見つけてらっしゃると思いますよ。まずフレディ・マーキュリーでしょ、リッチーでしょ、それからゲイリー・ムーア!もう可哀想に(笑)。
シマ:やっぱりそういうキャラがいないと、美しい人ばっかりじゃ面白くないじゃないですか。オチができないし。
鈴木:で、キャラが夜な夜な勝手に動き出す中で(笑)ストーリーはどうやって舞い降りてくるんですか?
シマ:考えて考えて描くものって、あまり面白い物ができないんです。友だちと何気ない会話をしていたりとか、全然関係ないときにフッと思いついた方がたいてい面白くて。この本の中で描いたベイ・シティ・ローラーズとかもそうですけど、途中まで“こうしよう”と思っててパッとオチが浮かんだり、急に話が変わったりすることはよくあるんです。そうなると、あ、今回はイケるかなって。
鈴木:今まで、時代劇や西部劇からわけの分からない修学旅行まで、いろんな話がありましたけど。
シマ:読んでくださった方の大半が当時学生だったので、やっぱり修学旅行とか学校の風景とか身近な所までミュージシャンを下ろして制服を着せたりしたのを面白がってくれたんですよね。
鈴木:モトリー・クルーも女学生/セーラー服でしたから。自由ですね〜、もしかしたらマンガって映画とかより一番非現実的なことを実現させやすいのかもしれませんね。
シマ:架空ですものね。
鈴木:無限ですね。
シマ:マンガは自由ですから。

<マンガを描いている現場は?>

鈴木:それで、マンガ家さんって頭にハチマキ巻いて紙とにらめっこして描いてるイメージがあるんですけど、いつもはどうやって描いてらっしゃるんですか?
シマ:やっぱりヒョウ柄のハチマキで(笑)。
鈴木:ヒョウ柄で(笑)、一気に何時間も描いちゃうんですか?
シマ:いや、だらだらしてます。最初はだらだらして、唸っても出てこないと今日はもうダメだと思ったりして。でも、最後まで考えつくと一気に描いちゃいますね。
鈴木:1コマ一人物として、どのくらいの時間がかかるんですか?
シマ:計ったことはないですけど、バンド全員が出てくるシーンとかはちょっと面倒くさいとか(笑)ありますけど。
鈴木:そこで、あまり出てこないアーティストとか振り分けられて、同じバンドでも全然出てこない人っていますよね。
シマ:モトリー・クルーだったらミック・マーズとか。
鈴木:省略しちゃって(笑)。で、下書きとか鉛筆でされるんですか?
シマ:昔は鉛筆で描いてて。2Bの鉛筆が一番描きやすいんです。でもこの本の書き下ろしで初めて下書きもデジタルでやってみたんです。
鈴木:マウスで描いたんですか?
シマ:いえ(笑)デジタルのペンで。
鈴木:そういうのって、ペン先どうなってるんですか?
シマ:鉛筆と違ってプラスチックみたいなものでできたペン先です。これは普通減らないんですけど、筆圧をかけて描いてるのかナナメに減っちゃって。それで先だけ変えられるようになっているんです。で、アナログで描いてたときって消しゴムをかけるのって凄い労力を使ったんです。マンガ1話分全部消すと消しゴム一個使って肩もこっちゃって。それがデジタルになると削除を押せば一気に消えるんで、しかもデジタルだとペン先の太さも自由に変えられるんです。まつ毛とか細くして描けるし。いい時代になりましたね。デジタルのペンで描く前は、やっぱりアナログに勝てるものはないと思ってたんですけど、今のソフトは本当に良くできていて、アナログで描く筆圧と同じ感覚で描けるんです。しかも拡大して描けるので、近くのものが見づらくなる年頃には便利です。ちょこっと台所で描いてても、ちょっとパソコンを退ければ片付けなくて済むし。
鈴木:台所で描いてるんですか?
シマ:描いてますよ。大きなダイニング・テーブルなのでやりやすいんです、本とかも広げられるし。

<会いにいけるマンガ家>

鈴木:そうやって机にしがみついてらっしゃらない(笑)シマ先生ですが、昨年からそうやって<会いにいけるマンガ家>としてイベントをやられていて。
シマ:なにか面白いことを色々やりたいですね。
鈴木:今後もイベントが目白押しですよね。
シマ:今月末に隔月でやってるディスコ・イベントがあって、これは中高年が和気あいあいで踊って楽しめるイベントで。
鈴木:いやいやいやダンス・パーティじゃないんですよ、8ビートギャグに出てくるようなアーティストのロック、80年代全盛期のロックをかけて踊るディスコで、シマ先生は4時間踊りっぱなしの<一緒に踊れるマンガ家>(笑)。あとは来月も色々ありますね。
シマ:4月14日に羽田空港で行われるクイーン来日記念「クイーン・ディ」のイベントにも参加させてもらいます。
鈴木:全国からクイーンのファンが集まってくるそうですね。後は8ビートギャグの集いとかもありますし。
シマ:5月12日は大阪で「8ビートギャグ」のイベントも行います。
鈴木:では、この辺で質問コーナーに行きましょうか。なかなかこういう機会もないかと思うので、聞いてみたいことがあれば是非。
質問1:私はジョン・ディーコンのファンなんですけど、描いていて似せるのが難しいミュージシャンっていますか?
シマ:いますいますブライアン・アダムス。あの人って白いTシャツにジーンズじゃないですか、描くと白人の普通の青年になっちゃうんですよ。短髪だし結構難しかったです。
鈴木:普段着のミュージシャンって困りますよね、目立つ衣装とか着てくれないと。
シマ:ジョン・ディーコンは描きやすいです、髪が長い頃は高貴な感じもして。
質問2:マンガに描かれたミュージシャンで実際に会われた方っていらっしゃいますか?そのときのエピソードとかあれば。
シマ:スティーヴ・ジャンセンは“なんで僕だけ子供っぽいの?”ってちょっと不満そうでしたね。お兄さんのデヴィッド・シルヴィアンに対して対抗意識というか、押さえつけられてる感じがするってことを言っていて、ちょうどデヴィッド・シルヴィアンが写真展をやってたときだったので、“僕だって写真は撮ってる、彼の写真は誰々の物真似だ”って言い始めたら、その場にいる人が固まってしまって。でもスゴく楽しい人でした。
鈴木:あっこちゃんに愚痴っちゃったんですよね、気を許してで。で、マンガで一番最初に依頼が来たのはハノイ・ロックスですよね。日本盤では使われてないマンガが海外盤ではジャケットの中で使われていたり。
シマ:来日したときに急に決まって、何週間後にイラストを下さいってマネージメントとやり取りしてバタバタでした。彼らはマンガが好きっていうイメージがなかったんですけど、実はそれを決めたのはアンディ・マッコイなんですよ
鈴木:“オレのこと般若みたいに描いてるぞ!”って言ってなかった?(笑)
シマ:(笑)言ってない。だから、“自分たちだけじゃなくて他のアーティスト、例えばボーイ・ジョージでも何でも出してくれ、それが楽しい”って言ってくれたので、遠慮なく描かせてもらいました。
鈴木:最初は「8ビートギャグ」をラズルに手渡したんですよね。
シマ:私は逃げるように帰ってきたんです、後で“その場ですぐに決めて追っかけたんだけどアナタはいなかった”って言われました。
鈴木:ラズルのお墓参りにワイト島まで行ったんですよね。その取材の記事をZIGGYの森重さんが読んで。
シマ:森重さんにお会いしたときに伺ったんですけど、“僕はあの記事を読んで、ワイト島に行って、ラズルの両親のディングレーさんを電話帳から一軒一軒電話して探し出して、お墓参りに行ったんです”って聞かされて。
鈴木:あと、マイケル・モンローの話があったじゃないですか女子力の高い。
シマ:常に鏡を見て気を使ってて、写真を撮らせてもらおうとしても、“ちょっと待って”ってコンパクトを取り出してお化粧直しをするんです。
鈴木:別にパウダーを塗るわけじゃないんですけど、撮ると、“見せてごらん、……もう一枚撮ろう”って、絶対写真チェックがあって。で、あまりにも鏡が似合うので、シマ先生の描いたマイケルの絵を鏡の裏にいれて差し上げたんです。そうしたら奥さんやマネージャーの分とか余分に持っていったのに全部自分でセシメて、その後、“アツコ、アツコ、この間ステージで割っちゃって”とか、“〜〜〜で割って”とか、“最後の一個割って〜〜”とか、どこで使ってるのかっていうくらい割ってるので、私たちの分から他に渡した分まで全部かき集めて、この間5個くらい差し上げましたよね。
シマ:お土産用ということで、そんなにたくさん作らなかったですから。
鈴木:そんなこんなで色々なアーティストの話が出ましたけど、では最後に前回のイベントでも盛り上がった<シマ先生のお絵描き教室>の一部を開催しようと思います。いつもはみなさんに描いていただいた物について、先生が色々とコメントするゲームみたいな企画なんですけど、今日は先生がふだんどういう風に描いてらっしゃるのかをライヴでみなさんにお見せしようかと。で、どなたを描かれますか?
シマ:では、70年代から一人。
鈴木:で、なんとその絵をじゃんけん大会をして勝った方にお持ち帰りしていただこうと。(場内大拍手)

ここで実際に描き始められ、場内も立上がって乗り出してその様子を見つめる中、ごく短時間でフレディ・マーキュリーが完成。歓声の中、じゃんけん大会が行われ勝ち残った方にサイン入りの絵が手渡された。さらに続いてデヴィッド・シルヴィアンも描かれ場内大盛り上がりのじゃんけん大会は終了。

鈴木:こうやってシマ先生は今後もどんどんみなさんの前に出て「8ビートギャグ」の世界を展開していってくださると思うので、またこういうイベントとかの機会がありましたらみなさん是非ご参加していただければ。
シマ:みなさんも是非<進行形>で行ってくださいね。
鈴木:踊ったり、歌ったり、笑ったり、描いたり──、一緒にやっていきましょうね。
シマ:夏のコミケでいつも作品を出してるんですけど、今、それに向けて作品を作り始めようかなとしています。やっぱり私はマンガ家なので、マンガを描くのが一番、是非またその作品も見てください。みなさんも、“昔、好きだった〜”とか、“昔、ロック聞いてたんだ〜”じゃなく、今も<現在進行形>の“好き”でいいと思うんです、それが元気の秘訣ですから(笑)、今日はどうもありがとうございました。
鈴木:ありがとうございました。

この後、サイン会が行われた。
●『麗しき70年代ロック・スター伝説 8ビートギャグ リターンズ』
シマあつこ 画/A5判/144頁/本体1,500円+税/発売中
ISBN:978-4-401-64488-9

●シマあつこtwitter
https://twitter.com/8beatgag