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2025年上半期のイギリス、ストリーミングの成長が鈍化/CD売上が再び落ち込む/レコード売上も不安定

2025/07/03 17:25掲載
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United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: UK
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英国のレコード業界向けの業界誌Music Weekによると、2025年上半期のイギリスの音楽市場は、ストリーミングの成長が鈍化し、2024年夏には復活の兆しが話題になっていたCDの売上が再び落ち込み、アナログレコードの売上も不安定な動きを示しています。

上半期の市場統計(Official Charts Companyデータに基づく)によると、2025年前半6ヶ月間のストリーミング消費量(SEA - ストリーミング再生数をアルバム数に換算した単位)は前年比6.4%増の93,632,987ユニットでした。2024年のSEA成長率は前年比11%増で、2024年の上半期時点でも11%の成長を維持していました。

フィジカル・フォーマットは上半期に再びマイナスに転じました。上半期のフィジカル・フォーマット販売総数は前年比4.7%減の7,664,596枚でした。特に4月から6月にかけては前年比14.5%減で、これが上半期の結果を押し下げています。わずか3ヶ月前までフィジカル・フォーマット部門の売上は5.7%増と好調でした。

減少の主な理由は、4月から6月にかけてのCD売上が22.4%減という驚異的な落ち込みを見せたことです(1月から6月にかけてのCD売上は12.8%減)。2024年の夏にはCD復活の兆しが話題になっていました。

懸念されることに、2025年に入ってレコード売上が不安定な状況にあることです。上半期のレコード売上は前年比6%増の3,235,244枚でしたが、これは2024年同時期の12.4%増(2024年通年では9.1%増)に比べて鈍化しています。

特に懸念されるのは、レコード・ストア・デイが好調だったにもかかわらず、4月から6月にかけての第2四半期にレコード売上が前年比2.8%減(1,532,884枚)だったことです。

ただし、この減少の一因は、2025年にテイラー・スウィフトのアルバムが発売されなかった点にある可能性があります。2024年第2四半期には、スウィフトの『The Tortured Poets Department』が初週だけで180,236枚のフィジカル・フォーマット(CD 109,392枚、アナログレコード 66,388枚、カセット 4,457枚)を販売しました。『The Tortured Poets Department』のレコード販売数66,388枚は、2025年第2四半期のレコード販売数(前年同期比43,979枚減)を上回っています。