同じ時期にバーミンガムで結成された
ブラック・サバス(Black Sabbath)と
ジューダス・プリースト(Judas Priest)。元プリーストの
K・K・ダウニング(K.K. Downing)は米Guitar Worldの新しいインタビューの中で、ブラック・サバスについて語り、同じシーンで成長した経験を振り返っています。
「ある種の共通点があった。(2つのバンドは)他とは違う新しいことをやっていた。それは、自分たちがやっていることを続けるための大きな自信になった。ブラック・サバスは俺たちにとって大きな励みになったんだ。
活動を始めた頃からずっと、誰も説明できないような奇妙な音楽を演奏していた。当時はプログレッシブ・ブルースバンドが主流。トニー(アイオミ)も同じようなことを言っていたけど、ジューダス・プリーストが会場にブッキングされるとき、俺たちのことを“プログレッシブ・ブルースバンド”と呼んでいたと思う。ロックはまだ定着していなかったからね。プログレッシブ・ブルースからロック、そしてプログレッシブ・ロック、ハードロック、ヘヴィロック、ヘヴィメタルへと進化した。でも1960年代後半には、そういったジャンルはまだ存在していなかった。
ブラック・サバスのことは、彼らの最初のアルバムを聴くまで、その存在を知らなかった。誰かに紹介されて聴いたんだけど、“ああ、よかった”ってホッとしたよ。“俺と同じ考えの奴らがこの世には他にもいるんだ”と思ったんだ。それから“まじか! 俺たちが住んでる場所からそう遠くないところにいるんだ”と思ったよ。
あの連中は俺たちと同じことをやっていた。それはメタルだったんだけど、当時はそんなことわかってなかったが、ブルースの曲の延長じゃないってことだけはわかっていた。雰囲気とか、ムードとか、リフの重さとか、暗さとか、他にもたくさんの言葉で表現できる似てる部分があったけど、彼らは本当にクールだったよ」
Q:トニーやオジーをはじめ、サバスのメンバーとは長年よく交流していたのですか?
「ああ、そうだね。彼らは本当にいい奴らで、それが真実でなければそんなこと言わない。みんな同じような地域の出身で、その地域の典型的な男たちだよ。地に足のついた、とても親切で温かく、一緒にいて気持ちのいい連中さ。
ブラック・サバスのメンバーについて誰もが同じことを言うんだ。みんないい人たちだって。(ジューダス・プリーストは)幸運だった。オズフェストにも出て、楽しい時間を過ごした。彼ららしいのは、すべてにユーモアの要素があること。それが日々を乗り切る力になってる。そんな連中と一緒にいられるのは最高だよ」
Q:トニーの独特なギタープレイについてどう思いますか?
「トニー・アイオミは唯一無二だ。彼を再現するなんてできない。(ブラック・サバス最後のコンサートにサポートで出演するが)そうはならないだろうから、できる限り誠意を持ってやるつもりだよ」
Q:彼はあなたとは全く違うプレイスタイルですか?
「俺は全く同じだと思っている、トニーがそう思わないなら訂正するけど、俺たちは若い頃、やっていたこと、やりたかったこと、なりたかったことに対して大きな情熱を持っていた。音楽の勉強や楽譜の読み方、音楽の宿題をするよりも、自分たちが何になりたいかということに、より重点を置いていたと思う。
俺たちはそれぞれ進み、自分たちのやり方でやると考えていた。そして実際にそうした。演奏からそれが感じ取れると思う。俺たちは音楽的に何ができるかを探求していた。それが正しいか間違っているか、他人がどう思おうと関係ない、俺たちにとって良い音に聴こえるかどうかが重要だった。そのためにギターでやっていたことは、俺たちの中から湧き出るもので、楽譜から来たものではなかった。
当時はただ、自分たちは“これをやるべきだ”と思っていただけだ。それが何を意味しようと“やるんだ。スキルがどうであれ、良かろうが悪かろうが、それを前面に出して、デビルズホーン(メロイック・サイン)のポーズや態度を見せつけるんだ”と思っていた。まだ駆け出しの頃で“俺たちはこれに乗っかる。これはヤバいし、他のすべてとは違う”と思っていたんだよ」