
Lalo Schifrin - Photograph: Damian Dovarganes/AP
『スパイ大作戦』(ミッション・インポッシブル)の有名なテーマ曲をはじめ、数多くの映画・テレビの音楽を手がけた作曲家/編曲家の
ラロ・シフリン(Lalo Schifrin)が死去。英ガーディアン紙はシフリンの息子たちに亡くなったことを確認し、シフリンは6月26日に肺炎の合併症のため亡くなったと報じています。93歳でした。
ラロ・シフリンことボリス=クラウディオ・シフリンは1932年6月21日にアルゼンチンのブエノスアイレスで生まれた。父はブエノスアイレス・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターで、シフリンは6歳の時にピアノを習い始める。
パリ音楽院で学ぶ間、パリのクラブでジャズ演奏を行っていた。1956年にブエノスアイレスに戻り、コンサートバンドを結成。1958年にディジー・ガレスピーと出会い、その後ニューヨークに移住し、ディジー・ガレスピー楽団のピアニスト兼アレンジャーとして参加し頭角を現す。
1962年にヴァーヴ・レコードと契約し、スタン・ゲッツ、カウント・ベイシー、サラ・ヴォーン、ジミー・スミスなどの作品に参加した。ヴァーヴが、映画製作会社メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の子会社だったために、シフリンは、間もなく、MGMの映画作曲家となる。この頃からシフリンはハリウッドに移り住み、映画やテレビシリーズのために数々の曲を書くことになる。
『ブリット』『ダーティハリー』『燃えよドラゴン』といった映画や、『スパイ大作戦』、『スタスキー&ハッチ』といったテレビシリーズなど、100作品を超える映画とテレビの音楽を手掛けた。
特に有名なのはテレビドラマ『スパイ大作戦』(ミッション・インポッシブル)のテーマで、4分の5拍子を用いてダイナミックなサウンドを創り上げた。このテーマは、トム・クルーズ主演の映画シリーズ『ミッション:インポッシブル』でも使用された。また、ブルース・リー主演の映画『燃えよドラゴン』では、シンセサイザーも使用しオリエンタルなアレンジを施した。
シフリンは、4つのグラミー賞を受賞し、6つのアカデミー賞にノミネートされた。2018年にはアカデミー名誉賞が授与された。