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ビーチ活動家、ピンク・フロイド『A Momentary Lapse of Reason』のアルバムカヴァーを同じ海岸で再現

2025/06/02 19:23掲載
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ピンク・フロイド(Pink Floyd)の1987年アルバム『A Momentary Lapse of Reason』のジャケット・カヴァーは、実際に700以上の病院用ベッドを英国の海岸に並べたものでした。リリースから38年を経た2025年6月1日、ビーチ活動家は同じ海岸でこのアルバム・アートを再現しました。

この海岸については先日、新たに設置する沖合の風力発電所で発電した電気を海底ケーブルで地上の変電所に送る際、海底ケーブルが海底から陸上にあがる場所をこの海岸にするという計画が評議会によって承認されました。これに反対する団体がデモの一環としてアルバム・アートを再現するパフォーマンスを行いました。

アルバム『A Momentary Lapse of Reason』のジャケット・カヴァーを手がけたのは、ヒプノシス(Hipgnosis)ストーム・トーガソン(Storm Thorgerson)で、場所はイギリスのノース・デボン地方にあるソーントン・サンズ。この海岸はロングボードサーフィンでも有名です。

英BBCによると、ソーントン・サンズの洋上風力発電所建設計画は、1,800人以上の反対署名があったにもかかわらず、5月7日にノース・デボン州議会によって承認されました。計画は、ノース・デボンの海岸から約52km沖合に7基の浮体式風力発電設備を設置し、発電した電気を海底ケーブルで地上の変電所に送る際、海底ケーブルが海底から陸上にあがる場所をこのサントン・サンズの海岸にするものです。

計画案を検討する計画会議では、観光や環境への影響、大型トラックの台数増加などを懸念する反対意見が寄せられたという。約100人の一般市民が会議に参加し、その大半が計画に反対する一方で、経済界や教育界の有力者はこの申請を支持する発言を行いました。開発業者は「このプロジェクトが新たな雇用を生み出し、地域に再生可能エネルギーをもたらす」と主張し、ノース・デボン州議会の議員たちは最終的に、これを承認しました。

これに抗議する団体Save Our Sandsの創設者であるヘレン・クーパーは、計画が承認された後、「非常に失望したが、驚きはなかった」と述べています。クーパーたちの団体は、風力発電所やケーブルそのものを反対しているのではなく、ケーブルのルートに反対しているという。クーパーは計画会議の後、今回のデモのアイデアが浮かんだそうで、6月1日の朝に今回のデモを行いました。クーパーによると、このパフォーマンスによって、デモ活動の今後の資金として24時間以内に約895ポンド(約18万円)を集めたという。

以下はニュース映像




Save Our Sands recreate Pink Floyd album art (c)Liz Seymour