トム・ヨーク　AIについて語る　「AIは人間の芸術的表現を盗むだけ。人間のアイデアを報酬も支払わずに盗んでいる」

レディオヘッド／ザ・スマイルのトム・ヨーク（Thom Yorke）は、AI（人工知能）について語っています。『Electronic Sound』の新しいインタビューより。

「僕が知る限り、音楽、芸術、そしてあらゆるクリエイティブ産業において、AIはこれまでのところ、人間の芸術的表現のバリエーションしか作り出していない。それらは明白だ。AIは、真に独創的な創造的思考ができるのか？　僕はまだそれを見たことがない。AIは分析し、盗み、元になった人間の作品への言及もなく、反復的に作り出すだけだ。自動伴奏が便利なように、あるいは億万長者の地下シェルターに美しい自然風景のスクリーンセーバーがあることが便利なように、それは色あせた模造品を生み出すには、確かに役に立つかもしれない。

しかし、経済構造は道徳的に間違っている...AIが創造性を偽るために使っている人間の労力は認められていない。作家たちは報酬を受け取っていない。これは一種の奇妙で自己陶酔的なテック業界の悪夢のような未来であり、テック業界が最も得意とするもののように見える。自分たち以外の人間を貶める行為が、テクノロジーの背後に隠されている。現在、米国ではこの現象が政治にまで波及しているのを僕らは目の当たりにしている。

現代的な表現で言えば、僕たちは“クリエイティブ”と呼ばれている。この言葉には強い不快感を覚える。なぜなら、この言葉が登場した時期は、芸術がデバイス向けの“コンテンツ”へと変質した時期と重なるからだ」

トム・ヨークは以前に、他の10,500人のクリエイターたちと共に、AI企業に対して、自分たちの作品の無許可使用はアーティストの生活を脅かす「重大かつ不当な脅威」であると警告する声明に署名しています。詳しくはこちら。

トム・ヨークはまた、ガザ情勢について沈黙していることが一部で批判された後、ガザ情勢に関する声明を発表しました。イスラエルのネタニヤフ首相とイスラエル政権を「過激派」と呼び、「止めなければならない」と述べています。また、ハマスについても批判し、同組織が「自国民の苦しみの陰に隠れることを選択している」と述べています。