小さな眼鏡店『Spex Pistols』　セックス・ピストルズから勧告書が届く　店名よりもロゴの変更を求められたが、店名変更の方が簡単で安上がりと店名を変更

2010年にオープンした小さな眼鏡店の名前は『Spex Pistols』。2年後には店名の商標権を取得したが、2024年、商標の更新期限を逃してしまう。すると、セックス・ピストルズ側から名称中止の勧告書が届く。交渉の結果、店名の維持に同意したが、ピストルズ側は、デザインの類似性を理由に新しいロゴを作成するよう求める。店側はロゴを変更するよりも店名を変更する方が「簡単で安上がり」だと判断し、店名の変更を決断した。

『Spex Pistols』はスコットランドの都市ダンディーにある独立系の小さな眼鏡店。2010年のオープンで、オーナーのリチャード・クックは、その2年後に店名の商標権を取得しました。

しかし、「不幸な事情」により、クックは2024年の商標更新期限を逃してしまい、すぐにセックス・ピストルズ（Sex Pistols）を代理する会社であるGlitterbestから中止勧告書を受け取りました。

交渉の結果、Glitterboxは店が『Spex Pistols』の名称を維持できることに同意しましたが、セックス・ピストルズのデザインとの類似性を理由に、新しいロゴを作成するよう求めました。

従業員8人を抱えるクックは、ロゴを変更するよりも店名を変更する方が「簡単で安上がり」だと判断し、店名を『Land O’Spex』に変更しています。

クックはSTVニュースにこう語っています。

「私たちには選択肢がなかった。2012年に商標登録した名称の使用権を争うために、セックス・ピストルズと対峙するだけの資金はないよ。

どう考えても、私たちがセックス・ピストルズにとって脅威になるとは思えない。彼らは世界中に何百万ものパンクファンを持つグローバルブランド。私たちはダンディーの一番小さな通りにある小さな眼鏡店で、ささやかながらも忠実なお客様に精一杯サービスを提供することに集中しているだけ。

正直なところ、私は適正な価格設定にこだわりすぎて、すべての経費を支払うと、ほとんど利益が出ないことがよくあるんだ！　彼らの訴えにどうにか対抗できるような資金力は全くないので、ブランド名を変更せざざるを得なかったんだよ。

私たちのお客様はきっと理解して、これからも変わらず利用してくれると信じている。今回の件は本当に大変な負担だった」

一方、Glitterbestの広報担当者は次のように述べています。

「異議を申し立てたのは、店のロゴについてです。セックス・ピストルズのロゴと非常によく似たスタイルで、明らかにバンドを連想させる意図があるからです。私たちは何ヶ月にもわたり、セックス・ピストルズのブランドを守りつつ、店への影響を最小限に抑える解決策を見つけるために、可能な限り努力をしてきました。私たちは、お店のオーナーに『Spex Pistols』という名前を使い続けても良いことを明確に伝え、新たなロゴデザインに合意したこと、金銭的な要求は一切ないことを明確に伝えており、合意が成立したものと認識しています」