
Suzanne Vega / Solitude Standing
スザンヌ・ヴェガ(Suzanne Vega)の「Luka」は、児童虐待というデリケートなテーマを扱っていますが、ファンに長く愛される曲の一つです。
プリンス(Prince)もこの曲に心を動かされた一人で、当時ヴェガに手紙を送っていたことがプリンスが亡くなった後に明かされました。しかし、最初の頃はあまり受け入れられていなかったという。そのため、当時のマネージャーがこの曲の可能性に気づくまで、この曲については非常に慎重だったと振り返っています。
「Luka」は1987年アルバム『Solitude Standing(邦題:孤独(ひとり))』に収録されています。
2016年にプリンスが亡くなった際、ヴェガはソーシャルメディアにプリンスから貰った手書きのメッセージを投稿しました。そこには次のように書かれていました。
「親愛なるスザンヌへ、“Luka”は僕が長年聴いた中で最も心を動かされる音楽です。この曲を聴くたびに感じることを言葉で表現できません。神に感謝します。プリンス」
ヴェガは、このメッセージを約30年もの間大切に保管し、プリンスへの敬意を表して亡くなった後に公開しました。
ヴェガは最近、『Rock & Roll High School Podcast』のインタビューに応じ、「Luka」は最初の頃は、あまり受け入れられていなかったことを明かしています。
「彼ら(観客)は私が何について歌っているのか分からなかった。その後、それについて気づいた時、それは彼らを悲しませ、一部の人々を不快にさせたと思います」
彼女自身、この曲がヒットするとは、まったく考えていませんでした。当時のマネージャーで、1985年のデビューアルバム『Suzanne Vega(邦題:街角の詩)』と、その後のいくつかのプロジェクトのエグゼクティブプロデューサーも務めたロナルド・K・ファイアスタインが、その可能性に気づくまで、この曲については非常に慎重だったという。
「サウンドチェックのときでした。彼が“あの曲について話したいんだ。あれは僕が思っている内容の曲なのか?”と言ったのね。私は“何だと思っているの?”と返すと、彼は“児童虐待の問題についてだと思う”と言ったので、私は“そうよ”と答えた。すると彼ははっきりと、ヒット曲になるかもしれないと言った。でも私はとても懐疑的で“そうかな”と思った。最終的には彼の説得力のある話を聞いて、私は“OK、わかったわよ。歌詞を変えないし、歌い方も変えない、あとは好きにやって”と言いました」