「世界中の誰もが『Van Halen I』を持っているべきだ。エディ・ヴァン・ヘイレンはハーモニック・マイナーとかそういうのには手を出さなかったし、オーギュメント・スケールやディミニッシュ・スケールなどにはほとんど手を出さなかった。ブラック・サバスもやっているし、俺たちもやっている。多くのバンドがやっていることだ。エディのリフは、どちらかというとメジャー調のものが多かった。時にはマイナー調の要素もあったが、それがヴァン・ヘイレンの音楽がどういうサウンドだったかをよく物語っている。ヴァン・ヘイレンの音楽の多くが、陽気なパーティー・ミュージックのように聴こえるのは、エディ・ヴァン・ヘイレンがそういう風にギターリフを書いていたから。それ自体は素晴らしいことで、彼はあらゆる感情やフィーリングを持つ曲を書くことができたんだ。
『Van Halen I』の演奏は、本当に自由奔放で、先駆的で、独特で、オリジナルで、唯一無二。ネック上でライトハンド奏法をする人はいたけれど、エディのようではなかった。エディはその可能性を大きく切り開き、そういったこと全てにおいて最高のプレイヤーだった。あの驚くべきタッピング・フレーズやハーモニック・フレーズ、そしてクレイジーな音のパターンを生み出した彼は、まさに最高のプレイヤーだった。彼はキングだった。誰も彼を超えることはできなかった。彼以上に上手くやるには、ギターを再び発明し直す必要がある。だって、エディはギターを再発明したわけだからね。ジミ・ヘンドリックス以降、そんなことをした人はいなかった。エディがそれを成し遂げたんだ」
「UFOのライヴ・アルバム『Strangers in the Night』を選んだのは、UFOの最高のコンサート曲を集めたようなものだから。アルバム全体を通してマイケル・シェンカーの演奏は本当に素晴らしく、実に流れるようでメロディック、かつアグレッシブなんだ。まさに絶頂期のプレイ。このアルバムは、本当にインパクトのある演奏を学びたいギタリストにオススメだよ。俺が言う“インパクト”とは、マイケル・シェンカーがキャッチーでメロディック、アグレッシブで派手なソロを次々と生み出すアプローチのこと。そのスタイルは俺自身、キャリアを通じてずっと追求してきたものなんだ」
そして彼らは、NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)やスラッシュメタルを本質を見事に捉えていると俺が思うリフを生み出した。それが“Symptom of the Universe”のリフだ。あの曲は文字通りヘヴィメタルに新たな生命を吹き込んだ。アティチュード、音選び、演奏方法、そしてそれが曲のメインパートでありフックとなっている点など、全てが素晴らしい。そのリフを一度聴けば、何度も繰り返し聴きたくなるだろう。本当に素晴らしいリフなんだ。あのリフ自体がヘヴィメタルを変えた。だから、あのアルバム、特にあの曲には大きな評価を贈らなければならないと思っている」
■The Tony Williams Lifetime / Lifetime: The Collection (1992)
「トニー・ウィリアムズはフュージョン・ドラマーだ。彼はジョン・マクラフリンと一緒に演奏していた。16歳の頃にはマイルス・デイヴィスとも共演し始めていた。そして1970年代に、まさにヘヴィメタル・ジャズ・フュージョンのようなサウンドのアルバムシリーズを出し始めたんだ。『Lifetime: The Collection』っていうコンピレーション・アルバム(※トニー・ウィリアムス・ライフタイムの最初の2枚のアルバム『Believe It』(1975) と『Million Dollar Legs』(1976) をまとめたもの)があって、演奏がすごいんだ。曲も最高。