音楽ストリーミングサービスで1再生あたりの収益は約0.004ドル(約0.59円)だとすると、ソングライターが受け取るのは「そのうちの14%(約0.0826円)の、さらにそのうちの68%(約0.056168円)で、複数のソングライティングがいる場合はそれをさらに分け合っている」という。ロンドンに拠点を置くマーケティング情報およびコンサルティング会社MIDIA Researchの2024年の報告書より。
米Varietyは、Spotifyの年次音楽経済レポート「Loud & Clear」が公開されたことにあわせ、「Spotifyは過去2年間で利保有者に45億ドル以上を支払った。それなのになぜソングライターたちは苦境に立たされているのか?」と題した記事を投稿しています。
Spotifyは、ほとんどのストリーミングサービスと同様に、権利保有者(通常はレーベルや音楽出版社)に支払いを行っており、権利保有者は、プロデューサーや音楽配信業者など、他の関係者に一定の割合を差し引いた上で、アーティストやソングライターに分配しています。したがって、Spotifyが2024年に1,500人の権利保有者に100万ドル(約1億5千万円)以上の支払いを行ったとしても、1,500人のアーティストが100万ドルを受け取っているわけではありません。
Spotifyは今回、過去2年間で、45億ドルを権利保有者に支払ったと発表しています。これは素晴らしいニュースですが、重要なのは、ストリーミング経済において、ソングライターは依然として底辺に位置しているということです。
VarietyはMIDIA Researchの2024年の報告書を引用し、1再生あたり約0.004ドルの収益は次のように分配されていると述べています。
・録音側(レーベル、ディストリビューター、アーティストを含む)が56%
・ストリーミングサービスが30%
・音楽出版側(出版社、ASCAPやBMIなどの音楽著作権管理団体、ソングライターを含む)が14%
この音楽出版側の14%のうち、ソングライターが68%、音楽出版社が17%、著作権管理団体が15%を占めていると報告書は述べています。複数のソングライティングがいる場合は「0.004ドルの14%の68%をさらに分け合っている」のが現実です。
Varietyは、この矛盾がSpotifyや他のストリーミングサービスによって生み出されたものではないという点にも注意が必要だと述べています。録音音楽のロイヤリティはストリーミングサービスと権利保有者との間で交渉されますが(更新期間は通常、争点となります)、出版ロイヤリティは著作権ロイヤリティ委員会によって決定されます。音楽出版業界は長年、この時代遅れのプロセスを批判してきました。