George Clinton / Brothas Be, Yo Like George, Ain't That Funkin' Kinda Hard on You?
パーラメント(Parliament) や
ファンカデリック(Funkadelic) を率いるPファンクの創始者
ジョージ・クリントン(George Clinton) は、元ビジネスパートナーのアルメン・ボラディアンと彼のブリッジポート・ミュージック社を相手取り、訴訟を起こしました。クリントンは、ボラディアンが自身の作品の約90%の著作権を不正に取得したとして主張し、1億ドルの賠償を求めています。
フロリダ地方裁判所に提出された訴状を米Varietyが入手しています。
訴状によると、クリントンは、ボラディアンとブリッジポート・ミュージック、そしてWestbound Records、Nine Records、Southfield Music、Eastbound Recordsが、違法に彼の音楽から利益を得続けていると主張しています。
クリントンは、アポロ劇場の外で記者会見を開き、自身の作品の著作権を取り戻し、家族に世代を超えた富をもたらすつもりだと述べました。
「これらの曲は、俺の歴史そのものだ。俺は家族のために戦わなければならない。俺が自分の人生をかけて築き上げてきたものが、俺の家族にきちんと受け継くのを確認しなければならない。家族に40エーカーとラバ1頭(※南北戦争終結時に白人が黒人解放奴隷への補償として提示したもの)だけを相続させることはできない。俺は楽曲の著作権を持っていない。俺たちが苦労して築き上げたものをアルメンが手に入れないようにするために、俺はここにいるんだ。
俺は権力に対して真実を語り続け、多くのソングライターを自身の音楽から引き離そうとする勢力と戦い続ける。俺はすべてのアーティスト仲間に、調査、尋問、訴訟、機密解除、暴露を行うよう奨励している。もし俺たちがこれを正しく行わなければ、彼らが勝つことになる。俺は彼らに勝利を許すことを拒否する。これは、自分たちの知的財産から、俺たちの家族に世代を超えた富を与えることができるかどうかがかかっている問題なんだ」
訴状によると、クリントンの長年のビジネスパートナーであるボラディアンは、数百万ドル(100万ドル=約1億5千万円)に上るロイヤリティを支払わず、長年にわたって欺瞞(ぎまん)的かつ詐欺的な行為を行ってきたと主張しています。
クリントンは、1982年から1985年の間、ボラディアンが彼の作品に追加の権利を指定する複数の契約書を偽造し、著作権登録に偽名や別名を追加してロイヤリティの分配を希薄化していたと主張しています。
過去には、ボラディアンはクリントンの楽曲の商業利用を巡って訴訟を起こしており、2001年にはクリントンの作品をサンプリングしたミュージシャンに対して数百件の訴訟を起こしています。今回の訴訟には、クリントンがこれらの訴訟の原告に含まれておらず、ボラディアンがそこから得た数百万ドルの分配もクリントンは受け取っていないことが記されています。
クリントンとボラディアンは長年にわたり法廷闘争を繰り広げており、2001年にはフロリダ州の判事が1976年から1983年に作曲された楽曲の著作権はボラディアンのブリッジポート・ミュージックに帰属すると裁定したため、クリントンは彼に対する著作権訴訟に敗訴しました。
2021年には、クリントンの自伝『Brothas Be, Yo Like George, Ain’t That Funkin’ Kinda Hard On You?: A Memoir』でクリントンが主張した内容に関して、ボラディアンが名誉棄損訴訟を起こし、ボラディアンが敗訴しました。この本の中でクリントンは、ボラディアンが「文書を偽造し、彼から曲を強奪し、二人の間の契約を不正に日付を戻し、改ざんした」と主張しています。
ボラディアンとブリッジポートの代理人を務めるリチャード・ブッシュ弁護士は、Varietyにて声明を発表しています。
「これは、クリントン氏が過去30年にわたり、ブリッジポートとアルメン・ボラディアンに対して起こしてきた、まったく同じ問題を提起する一連の訴訟の最新のものにすぎません。彼は毎回敗訴しており、今回の訴訟を提起したまさにその裁判所でも敗訴しています。したがって、この訴訟を却下するよう動くのは明白であり、制裁を求めるつもりです」
VIDEO