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ジェフ・ミルズ率いるスパイラル・デラックス 7年ぶりの新アルバム『The Love Pretender』発売

2025/02/08 22:31掲載
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Spiral Deluxe
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ジェフ・ミルズ(Jeff Mills)率いるエレクトロニック・ジャズ・カルテット、スパイラル・デラックス(Spiral Deluxe)。7年ぶりの新アルバム『The Love Pretender』を3月14日発売。

2018年のデビューアルバム『Voodoo Magic』に続く2ndアルバム。

メンバーはジェフ・ミルズ、URことアンダーグラウンド・レジスタントのメンバー/キーボーディストのジェラルド・ミッチェル、バッファロー・ドーターのメンバーにしてコーネリアスのバンドメンバーとしてもおなじみの大野由美子、世界的ジャズ・トランペッター日野皓正の息子であるジャズミュージシャン/ベーシストJINOこと日野賢二。

以下インフォメーションより

ジェフ曰く音の会話と呼ぶセッションがライヴやスタジオで行われてきた。自由形式による自発性が現れる環境のなかで互いを知り理解を深め合うことで、想定以上のパフォーマンスが行われ訪れるバランスと調和。結果得られた音源はこれまで「Kobe Session」「Tathata 」「Voodoo Magic」として発表された。

そして、一つの長い即興によるセッションから抽出しトラック化してアルバムとなったものが本作「The Love Pretender」である。 前述の通り、経験、キャリア、技術が申し分ないレベルに達している音楽家たちが可能な、まるでテレパシーのように意思疎通。念入りな準備も必要なく、自然で有機的なパフォーマンス。構造化されていない自由な繭の中で、音楽的瞬間を表現したものを我々は受け止める。

本作には2024年3月に59歳でこの世を去ったフランス人ギタリスト シルヴァン・リュック が参加、"Society's Man"などのトラックに80年代米西海岸のような解放感をもたらすこととなった。さらに、コルネット、トランペット、フリューゲルホルンといった管楽器を専門とする日本人ジャズミュージシャンのTOKU、プロデューサーとしてマサ清水も参加するなど、ジェフのキャリア史上でも屈指の才能が結集。

アルバムのテーマにはオプティミズムが込められており、プロセスを信頼することで次に何が起こるかわからなくてもきっとうまくいくことを信じることが表されている。知らないことに慣れることは、安心する未来が訪れることの 肝であり、このようなエネルギーは音楽家たちが集まって成し遂げることには不可欠である。未知を受け入れ、未来を予測せず、今を生きるという、ある意味ニーチェの永劫回帰にも似た自己肯定が重要な鍵であろう。他方で、タイトル「The Love Pretender」には、偽りによって成功を手に入れることができる今日の社会で起きている変化/変革を暗示している。SNSで頻繁に眼に飛び込む表層的な情報や虚偽が起こす、何がリアルか何がフェイクかの判断、それらへの疑問が起こす危機。AIからプラットフォームに溢れる偽りのペルソナまで、「The Love Pretender」は我々が生きる時代を象徴的に語っている。かつては眉をひそめるようなことが現在では多くの世界、人々が歓迎するようになったこと。これもまた人生のサイクルの一部なのかもしれない。

本作を繰り返し繰り返し聴いてもらうことがジェフの意図だという。込められたメッセージをできる限り音で表し、それを高いクオリティで鳴らせるために録音後の作業が何時間も行われた。一般的な期待の範囲を大きく超える音楽の実験を続け、自由で、活気に満ち、エネルギーがあり、人間性がここにはある。自分たちの声、表現、構造化されていない生きている音楽。
■『The Love Pretender』

Digital:
01. Society’s Man featuring Sylvain Luc
02. The Soloist
03. Uptown featuring Toku
04. Paris Roulette (Long Mix)
05. Shapeshifters
06. The Drive
07. The Power Of Miracles
08. Society’s Man (No Comment Mix)

Vinyl:
A1. Society’s Man featuring Sylvain Luc
A2. The Soloist
B1. Paris Roulette (Long Mix)
C1. Shapeshifters
C2. Uptown featuring Toku
D1. The Drive