オランダにはデスヴォイスを教えてくれる職業訓練校がある。メタル音楽に特化した学校「メタル・ファクトリー(Metal Factory)」では、ギター、ベース、ドラム、キーボードだけでなく、メタル・ヴォーカルのテクニックを教えるコースも用意されていて、メタル音楽で広く使用されているヴォーカル・テクニックである、うなり声の世界的権威が教えてくれるという。そのレッスンの様子を最近、ロイター通信などが紹介して話題となっています。
メタル・ファクトリーはオランダのSumma Collegeという中等職業訓練学校(MBO)の学科のひとつです。中等職業教育機関は、日本でいう職業訓練校のよう位置づけで、1~4年かけて職業スキルを身につけます。
オランダの都市アイントホーフェンにあるメタル・ファクトリーは3年間の職業学習プログラムで、メタル音楽を専門としており、ヴォーカル、ドラム、ベース、ギター、キーボードの5つの専門分野を提供しています。個々の楽器のスキルに加えて、音楽業界のビジネス面や技術的な側面についても教えており、学生たちは協力しながら集中的にパフォーマンスを行う方法を学びます。このカリキュラムは音楽業界で独立したアーティスト/起業家になるためのトレーニングを行うもので、これらすべてが、将来の音楽業界でのキャリアの基礎を築くのに役立つと説明しています。
オーストラリアのニュース番組『7 News』のジャーナリストが最近訪れ、生徒たちに「うなるような歌い方」を習得させることを報告しました。「講師によると、ヘヴィメタルのうなり声を効果的に出すための秘訣はシンプルだそうです。ため息や呻き声から始めて、声帯を使って徐々に原始的な叫び声に変えていくのです」と伝えています。
デスヴォイスを教えているのは、メタル・ファクトリーのヴォーカル講師、マルセラ・ボヴィオです。彼女は、うなり声の世界的権威だという。
うなり声は素人目には叫び声のように聞こえますが、実際には全く違います。正しいテクニックを習得しないと、声帯を修復不可能なほど傷めてしまう可能性があります。そのため、正しいトレーニングが不可欠なのです。メタル・ファクトリーでは、生徒たちがこの複雑なテクニックをプロの目から見て安全な方法で学んでいます。
メタル・ファクトリー卒業後のキャリアとしては、作曲や音楽制作の委託業務、および「指導やコーチング」が含まれるという。また卒業生の中には、アムステルダム音楽院などの名門音楽学校でさらに学びを続ける人もいます。「メタル・ファクトリーは、音楽業界でプロとして活躍したいと願うすべての人に、将来のための幅広い基盤を提供しています」と同学校は説明しています。
教員の中には、元CynicのベーシストであるRobin Zielhorst、TexturesのメンバーであるBart Hennephof (ギター) とStef Brooks (ドラム)、元DelainのギタリストであるMerel Bexhtold、サウンドエンジニアのJacques De Haardなど14人の人物が名を連ねています。
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