
MOTLEY CRUE / Dr. Feelgood
モトリー・クルー(Mötley Crüe)のヒット曲「Dr.Feelgood」の歌詞は、
ニッキー・シックス(Nikki Sixx)が何度もプロデューサーの
ボブ・ロック(Bob Rock)から書き直すよう促され、8回目の挑戦で完成したものだという。シックスは英Classic Rock誌の新しいインタビューの中で、当時を振り返っています。
「彼(ボブ・ロック)はヴィンス(ニール)にもっとうまく歌うよう求めていた。それまで誰もそんなことはしたことがなかった。彼はトミー(リー)にビートを変えるよう求めていたし、ミック(マーズ)には“ギターをやり直そう”と求めていた。ボブは細かいことにこだわっていた。細かいことをきちんとやれば、大きな変化を生み出すことができる」
シックスもプロデューサーの要求から逃れることはできませんでした。彼は、ミック・マーズが雷鳴のようなリフを思いついた新曲の歌詞を書き直すよう、ロックから言われたことを振り返っています。
「小さな部屋があって、そこに入って床に座って歌詞の作業をしていた。
(当時は今と違って)コンピューターで情報を引き出すことはできず、本や雑誌だけだった。歌詞を書いてボブに見せると、彼は“もっとうまくできるはずだ”と言うので、俺はまた部屋に戻って作業をやり直し、またボブに見せると“まだ半分だ”と言われた。
8回も書き直したよ。彼は“もっとスプリングスティーンらしく!もっとイアン・ハンターらしく!どうすればいいか分かってるはずだ。君はストーリーテラーなんだ!”とずっと言い続けていた」
この練兵場的なアプローチは功を奏し、ロックがシックスに書き直すよう促した曲は、アルバムのタイトルトラック「Dr.Feelgood」となりました。この曲は、タイトルにもなっている麻薬の売人と、彼を取り巻く、ならず者たちをテーマにした楽曲で、おそらくはシックス自身の経験から引き出されたものです。
1989年8月に新しいアルバムの最初のシングルとしてリリースされた「Dr.Feelgood」は、全米チャートで6位に達し、これは今でもモトリー・クルーの最大のヒットとなっています。アルバムもすぐにビルボード・チャートのトップに輝き、バンドに念願の1位をもたらしました。
「それは特別な経験で、それが(『Dr.Feelgood』を)特別なアルバムにした。俺たちは今でも実践していることを学んだ。それは、他のことはすべて無視し、スタジオの外で何が起きているかを忘れるということ。創造性を追求すれば、魔法のような瞬間が訪れるんだ」