『King of America』ではTボーン・バーネットたちとコラボレーションしたけど、そういった活動と同時に、まったく異なる世界の人たちともたくさん一緒に仕事をしてきた。バート・バカラックとは35曲、ポール・マッカートニーとは15曲、ブロドスキー・クァルテットとは『The Juliet Letters』を作った。そのひとつひとつから、とても貴重なことを学んだんだ。
10年ほど前、アラン・トゥーサンと仕事をしたことがあった。彼との最初のプロジェクトは、オノ・ヨーコのトリビュート・アルバム(『Every Man Has a Woman』・1984年)のためにやった“Walking on Thin Ice”のレコーディングだった。オノ・ヨーコの曲を一緒にやる以外に、彼と僕が一緒に仕事をする可能性など考えられなかった。彼はその曲のプロデュースで素晴らしい仕事をしてくれた。
僕は時折、このような奇妙な状況でブライアンに出くわし、どこかの時点で彼の電話番号を手に入れた。そして、このアルバムのための曲を作るために彼に電話をかけた。“My Dark Life”は“My Steam Life”というタイトルになっていてもおかしくないほど、この出会いはありえないものだった。普通は“ナイトクラブで会った”とか“どこかのライヴの楽屋で会った”とか言うよね。蒸気浴や蒸し風呂が登場するとは思わない。