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『トップガン』の「Danger Zone」「愛は吐息のように」の作詞家 トム・ホイットロック死去

2023/02/24 15:31掲載
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Tom Whitlock
Tom Whitlock
映画『トップガン』から生まれたヒット曲、ケニー・ロギンス(Kenny Loggins)の「Danger Zone」と、ベルリン(Berlin)の「Take My Breath Away(邦題:愛は吐息のように)」の作詞家として知られるソングライター/ミュージシャンのトム・ホイットロック(Tom Whitlock)が死去。68歳でした。

米ミズーリ州スプリングフィールドの斎場Gorman-Scharpf Funeral Homeのお悔やみ欄にて、2月18日にテネシー州ギャラティンで亡くなったことが明らかにされています。死因は発表されていませんが、地元の新聞Springfield News-Leaderによると、近年はアルツハイマー病と闘っていたようです。

トム・ホイットロックことトーマス・ロス・ホイットロックは1954年2月ミズーリ州スプリングフィールド生まれ。幼い頃から音楽を始めた。10代のころはバンドを渡り歩き、地元でライヴをしたり、作曲をしたりしていた。大学卒業後、レコード会社との契約を求めてロサンゼルスに移り住む。しかし、レコード契約は実現せず、音楽理論を学ぶために学校に戻った。その後、ロサンゼルスに渡り、念願のレコード契約が成立したが、その後は失速してしまう。

転機となったのは、ジョルジオ・モロダー(Giorgio Moroder)との出会いだった。モロダーは、この時点ですでにアカデミー賞受賞者、レコードプロデューサーとして成功していた。ロサンゼルスのレコーディングスタジオで出会った際、モロダーはフェラーリのブレーキに不満を抱いており、ホイットロックはそれを直してあげると申し出る。これがきっかけとなり、ホイットロックはモロダーのスタジオで働くようになった。

モロダーがサウンドトラックを手がけた映画『スカーフェイス』『フラッシュダンス』『ビバリーヒルズ・コップ』では、ホイットロックはスタッフとして参加した。

モロダーが『トップガン』の仕事を始めたとき、彼はホイットロックに歌詞を提供するよう依頼した。ホイットロックとモロダーは『トップガン』のために5曲を共作。ケニー・ロギンスの「Danger Zone」と、ベルリンの「Take My Breath Away(邦題:愛は吐息のように)」は大ヒットを記録した。「Take My Breath Away」はアカデミー歌曲賞およびゴールデングローブ賞 主題歌賞を受賞した。

ホイットロックは長いキャリアを通じて様々なアーティストのために書き、100曲以上の曲を作った。グラハム・ナッシュ、ボニー・タイラー、マイケル・マクドナルド、レイ・チャールズ、ダイアナ・ロス、ロジャー・ダルトリーなど、多くのアーティストがレコーディングしている。

1987年の映画『オーバー・ザ・トップ』に収録されたサミー・ヘイガーのシングル「Winner Takes It All」もホイットロックとモロダーの作品。

また、1988年の夏季オリンピック(「Hand In Hand」)と1990年のFIFAワールドカップ(「To Be Number One」)の公式テーマソングもホイットロックとモロダーの共作。