義父が
ボブ・ディラン(Bob Dylan)の熱心なファンである54歳の英国人男性は、ディランがロンドンでコンサートをすると知り、家族の一員であるならばボブ・ディランを見に行かなければならないと思って迷わずチケットを購入。が、それはボブ・ディランではなく、英国ポップスター、
ディラン (Dylan/本名ナターシャ・ウッズ)のコンサートでした。結局、男性はその公演を観る。この話を聞いたナターシャは当時、「もし、また同じことが起こったときのためにボブ・ディランのカヴァーを用意しておくわ」と話していた。そして、その数か月後、男性が再びナターシャの公演に参加。すると、ナターシャは約束を守り、男性のために公演で「Knockin' on Heaven's Door(邦題:天国への扉)」をカヴァーしています。
ローリング・ストーン誌の英国版によると、この男性の名前はアンディ・デイ。彼の義父はボブ・ディランの大ファンで、彼がこれまでにリリースしたほぼ全てのアルバム、ブートレグ、本を所有しているという。「だから、ボブ・ディランに会いに行くのは、私を家族の一員として受け入れる前の通過儀礼だったのです」と話しています。
アンディは、2022年11月にロンドンのKOKOでディランでコンサートが行われると知ってチケットを手にします。が、ボブ・ディランのツアー日程を確認したところ、ボブ・ディランはこの日、ダブリンで演奏する予定で、実際はイギリスのポップスター、ディランを見に行くチケットを買っていたことに気付きます。
アンディは最終的にディランのコンサートに参加することに決め、このポップスターが見事に観客を魅了し、曲も良かったので、ファンになりました。
この奇妙な状況を聞いたナターシャは当時、英ローリングストーン誌の取材に対して「もし、また同じことが起こったときのためにボブ・ディランのカヴァーを用意しておくわ」と約束していました。
そして、ナターシャは、2月20日のロンドンのシェパーズ・ブッシュ・エンパイアで行った自身のコンサートに、アンディが参加していると聞き、約束通りに男性のために「Knockin' on Heaven's Door(邦題:天国への扉)」をカヴァーしています。
ナターシャは観客にこう話しています。
「アンディ・デイという男が、義理の父と妻を連れて私のライヴに来ているの。今夜ここにいるんだけど、ボブ・ディランのライヴに来たんだと思っているみたい。このツアーでは、そういう人がたくさんいて、気がつく前にグッズを買ってしまった人さえいるのよ。ボブの大ファンとして、彼のカヴァーをしようと思ったの。これはアンディと彼の家族のためのものです」
映像あり