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英国 レコード・アルバム15年連続増加 35年ぶりにレコードの売上がCDを上回るアルバム登場 テイラー・スウィフト最新作

2022/12/29 15:37掲載
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Taylor Swift / Midnights
Taylor Swift / Midnights
英ガーディアン紙によると、2022年、英国ではレコード・アルバムの販売数は550万枚を超えると予想されています。15年連続で増加。テイラー・スウィフト(Taylor Swift)の最新アルバム『Midnights』のアナログ盤は英国だけで8万枚販売され、「21世紀に英国で最も売れたレコード・アルバム」となり、またアナログ盤の売上がCDの売上を上回っています。レコード売上額がCD売上額を上回ったのは英国では1987年以来、35年ぶりです。

最終的な売上を集計して年明けに正式に発表される「2022年に最も売れたレコード・アルバム TOP10」ですが、現時点での暫定リストが発表されており、今年はトップ10のうち、8枚が2022年発売の新譜という珍しい結果になりました。これまでは旧譜がリストの大半を占めていました。

Entertainment Retailers Association(ERA)の最高責任者であるキム・ベイリーは「音楽業界全体にとっての分岐点です。CDが登場し、レコード・ビジネスがほぼ壊滅してしまった後、このようなルネッサンスが可能だと信じていた人はほとんどいなかったでしょう」と話しています。

英ガーディアン紙は、パンデミックによってライヴやイベントに行けなくなったファンが、余ったお金を自宅のレコード・コレクションを増やすために使うようになったため、パンデミックは音楽の購買習慣を加速させたと伝えています。

ERAによると、2021年のレコード・アルバムの売上は23%増の1億3560万ポンドでしたが、CDの売上は3.9%減の1億5000万ポンドでした。CDの今年の売上は、販売統計によると、レコード・アルバムを2000万ポンドも下回ることになる見込みだという。昨年は1400万枚以上のCDが販売されましたが、今年は年間2桁パーセントの大幅な落ち込みが予想されるという。

キム・ベイリーはCDについてこう話しています。

「CDは消えてしまうのだろうか?今のところ見通しは良くはないですが、CDは永続性と頑強性、品質を提供するものであり、他に類を見ないものです。レコードについて私たちがどれほど間違っていたかを考えると、CDを永久に見捨てるのは愚かなことでしょう」

レコード・アルバムの売上は2022年には40年ぶりの高水準に達する見込みですが、ピークに達しつつあるようで、販売数の伸びは前年比わずか数%に鈍化すると予想されています。

英国の音楽業界の業界団体であるBPIの最高責任者であるジェフ・テイラーは、「LPは2023年に75周年を迎えますが、これまでと同様にLPは重要です。ストリーミングの時代において、フィジカルでの音楽の購入は、音楽市場において不可欠で健全な部分であることに変わりはありません」と述べています。

昨年18万5000個を記録し、小さな復活を遂げ続けているカセットテープの販売数は、前年を上回ると予想されています。

■「2022年に最も売れたレコード・アルバム TOP10」暫定版
1. Midnights - Taylor Swift
2. Harry’s House - Harry Styles
3. The Car - Arctic Monkeys
4. C’mon You Know - Liam Gallagher
5. Wet Leg - Wet Leg
6. Will of the People - Muse
7. Rumours - Fleetwood Mac
8. Skinty Fia - Fontaines DC
9. Being Funny in A Foreign Language - 1975
10. AM - Arctic Monkeys