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TOTOのスティーヴ・ルカサー、プリンスとの思い出を語る 「彼は俺とは口をきいてくれないんだ」

2022/12/10 19:24掲載
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Steve Lukather, Prince
Steve Lukather, Prince
TOTOスティーヴ・ルカサー(Steve Lukather)によると、彼はプリンス(Prince)のファンで、数回会ったことがあるそうですが一度も会話を交わしたことはないという。「彼は俺とは口をきいてくれないんだ」と、Sunset Sound Recordersのインタビューの中で、プリンスとの思い出を語っています。

ルカサーは1978年頃、ヴァレリー・カーターの『Wild Child』で演奏するために雇われたとき、初めてプリンスに会いました。

ルカサーはスタジオで、プロデューサーのジェームズ・ニュートン・ハワードの指示のもとでレコーディングを行っていました。ハワードは、ミネソタ出身の新進気鋭の子供がレコーディングに同席すると告げます。「心配するな」と彼は言ったという。プリンスと名乗っているこの子は、ただ座っているだけでした。

「プリンスのことは知らなかった。中に入ってみると、まずプリンスと呼ばれる人がいることに気づいた。“それが彼の名前なのか!? 彼が自分でつけたのか?” 俺はただ、生意気なやつだと思った」「そいつのこと何も知らなかった。プリンス? とにかく彼はそこにいて、静かで痩せた小さな男だった」

ルカサーがソロを弾いたとき、プリンスはソファに座っていました。ルカサーは、彼の頭が突き出ているのが見えました。「ソファが低かったから、彼の姿はよく見えなかった」と彼は言っています。その日が過ぎてもプリンスは何も言いませんでした。

「俺はジェームズに“こいつはなんなんだ?気味が悪いよ!”と言った。彼は俺に異常なほど言葉を発しなかった。それが最初のプリンスとの出会いだった。一日中演奏していても、彼は何も言わなかった。ただ時々、本当に奇妙な感じで俺を見つめていた。そして彼はプリンスになった」

2度目の出会いは、プリンスが『Purple Rain』をミキシングしていたスタジオでした。プリンスはスタジオ3に、ルカサーはあるアーティストのセッションのためにスタジオ2にいました。

「朝の10時くらいだったかな。彼は映画に出てきた紫色の自転車に、銀色のラメの入ったスーツを着て座っていた。彼は白い髪の巨大なボディーガードを連れていた。彼を見て、“やぁ!”と言うと、彼はうなずいた。俺は少し“ええっと”となってしまった。俺は彼の大ファンなんだ。ミュージシャンとして言わせてもらうとね......でも、彼は俺とは口をきいてくれないんだ、しかもそれが長い間続いたんだ!」

10年後、彼らは再び会いました。今回はルカサーが優勢でした。

「(オランダのキュラソー島のフェス)Curacao North Sea Jazzでライヴをやったんだけど、俺らがある晩のヘッドライナーで、プリンスが別の晩のヘッドライナーだった。俺たちは前夜にやった。この島に行くことは分かっていたから、6ヶ月前に海を見渡せる一番大きなスイートルームを予約しておいた。一番いい部屋が欲しいかったからね。俺の金だよ!

どうやらプリンスもその部屋を希望していたようなんだけど、俺がすでに予約していたから、彼は怒っていた。俺は彼のすぐ上(の階の部屋)にいた。俺はライヴを観たかったんだけど、彼は俺たちにライヴを見せてくれなかった。しかも、当時のツアーマネージャーはプリンスの元で働いていたんだ。俺はそれをユーモラスに感じた。小さなゴム製のアヒルに“ヘイ、俺たちクールか?”と書いて降ろそうかと思ったよ」