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伝説のスタジオミュージシャン集団レッキング・クルーでも活躍 木管楽器奏者ジーン・チプリアーノ死去

2022/11/28 12:45掲載
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Gene Cipriano
Gene Cipriano
人気のアルバムや映画に数多く参加したセッション・ミュージシャンで、伝説のスタジオミュージシャン集団レッキング・クルーの一員としても活躍した木管楽器奏者のジーン・チプリアーノ(Gene Cipriano)が死去。彼の息子ポールがハリウッド・リポーターに、チプリアーノが11月12日にカリフォルニア州スタジオシティの自宅で老衰のため亡くなったことを明らかにしています。94歳でした。

シプリアーノは音楽一家に生まれた。父親はブロードウェイやニューヘヴン交響楽団で演奏していた。幼い頃からクラリネットを吹き、やがてサックス、オーボエ、フルートなど木管楽器全般に習熟した。

1950年代にニューヨークからカリフォルニアに移って間もなく、チプリアーノは作曲家のヘンリー・マンシーニに雇われ、テレビシリーズ『ピーター・ガン』で演奏することになった。その後、『酒とバラの日々』(1962年)や『シャレード』(1963年)などマンシーニの作品に数多く参加。「それがきっかけで、他のリーダーたちは皆、“じゃあ、ヘンリー・マンシーニと共演した連中を連れてきてくれ”と言うようになったんだよ。それで僕は動き出したんだ」とチプリアーノは2019年のインタビューでそう述べています。

シプリアーノの映画界でのキャリアはその後も続き、『いそしぎ』(1965年)、『トーマス・クラウン・アフェアー』(1968年)、『ウエスト・サイド物語』(1961年)、『クレオパトラ』(1963年)、『ワイルドバンチ』(1969年)、『フレンチ・コネクション』(1971年)、『ベスト・キッド』(1984年)、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009年)など多くの作品で演奏した。

シプリアーノは映画音楽だけでなく、自身の作品や、伝説的なセッションミュージシャン集団レッキング・クルーの一員として、さまざまなアーティストたちと共演した。

共演した中にはジョン・レノン、ポール・マッカートニー、オリビア・ニュートン=ジョン、マイルス・デイヴィス、モンキーズ、ハリー・ニルソン、ランディ・ニューマン、グレン・キャンベル、フランク・ザッパ、ニール・ダイアモンド、フランク・シナトラ、ジョニー・キャッシュ、ペギー・リー、ビーチ・ボーイズ、プリンスなども含まれている。

シプリアーノは、1968年に米国で放映されたエルヴィス・プレスリーのカムバック・スペシャルでは、バンドの一員として一緒に演奏した。

映画、テレビ、コマーシャル、レコード音楽への多くの貢献により、シプリアーノは非公式に、ショービジネス史上最も多くの記録を残した木管楽器奏者と呼ばれている。