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ピーター・フランプトン「デヴィッド・ボウイに感謝してもしきれない」 ボウイのギターを担当したことでプレイヤーとしての信頼性を取り戻せたと語る

2022/11/12 21:06掲載
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David Bowie & Peter Frampton Search for Beer in Madrid | MTV News
David Bowie & Peter Frampton Search for Beer in Madrid | MTV News
ピーター・フランプトン(Peter Frampton)は、代表的なライヴ・アルバム『Frampton Comes Alive!』に続いてリリースしたスタジオ・アルバム『I'm In You』について「作りたくなかった」「作るのが苦痛だった」と振り返り、このアルバムのリリース後は、沈みゆく船の中にいると感じていたという。その後、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のギターを担当したことでプレイヤーとしての「信頼性」を取り戻せ、自分のキャリアを再活性化させることができたとGuitaristの最新号で話しています。

『I'm In You』はフランプトンの最も商業的に成功したスタジオ・アルバムですが、フランプトンはこのアルバムが「多くの観客を失い始めた」時だと記憶しているという。

「“I'm In You”はアメリカで大ヒットシングルとなり、アルバムはすぐにチャートの上位にランクインしたにもかかわらず、状況はすぐに悪化した。『I'm In You』のツアーは最初は良かったんだ。その後、それが沈んでいった頃から、多くの観客を失い始めたと思う。そういう状況だった。沈没船の中にいるような気分だった。

アルバム『I'm In You』は作りたくなかった。提出するのも嫌だった。好きじゃなかったんだ。

みんなは“急げ、急げ”って言っていたけど、僕は、どんなに時間がかかっても、最高の素材ができるまで待ちたかった。1年かかったかもしれないし、2年かかったかもしれない。

いろいろなことがあった。アイデアがたくさん詰まったカセットテープをなくしてしまってね......これには精神的に打ちのめされたよ。いくつかは覚えていたけれど、全部は覚えていなかった。それまで持っていた新曲の大部分が消えてしまった。作るのが辛いアルバムだったよ」

1987年、ピーター・フランプトンはデヴィッド・ボウイのスタジオ・アルバム『Never Let Me Down』でギターを担当し、グラス・スパイダー・ツアーにも参加しています。この経験はフランプトンにとって極めて重要な時間でした。ボウイの自分への信頼が「失ったと感じた信頼を取り戻す」のに役立ったと語っています。

「(ボウイが)“僕のためにギターを弾いてくれないか”と言ってきたんだ。この時、僕はスイスで『Never Let Me Down』をレコーディングしていた。その時、彼は僕にグラス・スパイダー・ツアーのギタリストの一人になってくれないかと頼んできたんだ。びっくりしたよ。ついに、これまで何度も同じ日の同じ晩に同じステージに立ってきたデイヴのギタリストになれたんだ。彼は誰でも選ぶことができた。前のアルバムではスティーヴィー・レイ・ヴォーンを起用していたけど、僕を選んだんだよ」

これが彼のキャリアにとってどのような意味を持つかについて、フランプトンは『Never Let Me Down』のレコーディングとグラス・スパイダー・ツアーによって、アーティストを「続けるための信頼性」が得られ、「人々を自分の元に戻す」のに役立ったと語っています。

「デヴィッドがアルバムとツアーに誘ってくれたことで、僕の信用は変わった。『I'm In You』が出たときに失ったと感じた信用を取り戻したんだ。ティーンエイジャーのポップスターのキャリアは1年半ほどだけど、ミュージシャンのキャリアは一生だ。僕は何よりもまずミュージシャンなんだ。デヴィッドは、僕に信頼を取り戻させ、人々を僕の元に戻してくれたんだ。

僕は彼に感謝してもしきれない。彼は、僕が自分のために何をしているかを知る前に、僕が何をしているかを知っていたんだ」