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エンニオ・モリコーネ 音楽・映画・人生を語る、書籍『あの音を求めて』発売

2022/09/15 19:31掲載
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Ennio Morricone
Ennio Morricone
数々の名作で知られる映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネと若き音楽家アレッサンドロ・デ・ローザとの対話によって紡がれる、マエストロの生涯とその創造のすべて。書籍『あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る』はフィルムアート社から10月26日発売。
■『あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る』
エンニオ・モリコーネ+アレッサンドロ・デ・ローザ=著|石田聖子+岡部源蔵=訳

発売日:2022年10月26日
A5判・上製|536頁(予定)|予価:4,200円+税|ISBN 978-4-8459-2027-3

<内容>

「疑いの余地なく、本書は、わたしに関して書かれた本のうち、詳細にわたり丁寧に検討された正真正銘の最良の書である。これは真実の書である。」
──エンニオ・モリコーネ

前衛音楽から映画音楽へ
若き音楽家との対話によって紡がれる
マエストロの生涯とその創造のすべて


『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『死刑台のメロディ』『エクソシスト2』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ミッション』『アンタッチャブル』『海の上のピアニスト』『鑑定士と顔のない依頼人』『ヘイトフル・エイト』……
数々の名作で知られる映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネと若き音楽家アレッサンドロ・デ・ローザとの対話によって紡がれる、マエストロの生涯と創作の真実。

映画音楽は映画という芸術に対して何をすることができるのか。音楽としての純粋性を損なうことなく、大衆が理解可能な音楽はいかにして可能か。音楽は人と人をどのように結びつけることができるのか。そして、なぜ人は作曲を続けるのか。

本書には、モリコーネが歩んできた人生、映画音楽家としての活動、 経験、その音楽が生まれた契機と育まれた経緯のみならず、彼が生きた歴史・社会・文化的状況をめぐる思いのすべてが綴られる。

映画、ラジオ、テレビといった様々なメディアが到来しては次々に様相を塗り替えていった現代社会のなかで、「音楽」はそこに何を残すことができたのか。決して音楽の世界に閉じこもることなく、新しい環境のなかに飛び込み、苦闘した作曲家はやがて映画音楽界の巨匠と呼ばれるようになる。

ゴッフレド・ペトラッシのもとで作曲を学び、ダルムシュタットでジョン・ケージと出会った作曲学生時代。そしてRAI(イタリア放送協会)やRCAでプロとしてのキャリアをスタートしてからの下積み。その後のセルジオ・レオーネ、ベルナルド・ベルトルッチ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ダリオ・アルジェント、ジュゼッペ・トルナトーレ、ジョン・カーペンター、オリヴァー・ストーン、ブライアン・デ・パルマ、ペドロ・アルモドバル、ロマン・ポランスキー、クエンティン・タランティーノらとのコラボレーションに至るまで、モリコーネの生涯が詳細に語られる。

巻末には、ベルナルド・ベルトルッチ、ジュゼッペ・トルナトーレ、ルイス・バカロフをはじめ、カルロ・ヴ ェルドーネ、ジュリアーノ・モンタルド、ボリス・ポレーナ、セルジオ ・ミチェーリといった現代の映画界と音楽界を代表する面々による証言が収められている。

<目次(仮)>
序:この対話が生まれた経緯

第1章:メフィストとの契約:チェスに興じながら

第2章:映画の国の音楽作曲家

編曲修行/映画デビュー/セルジオ・レオーネと《ドル箱三部作》/ピエル・パオロ・パゾリーニ/パゾリーニに白旗をあげる/その他のコラボレーション、実験、活躍/同意か消費か?

第3章:音楽と映像

テーマがない? もっと楽しいじゃないか!/劇中の歌と歌手/ハリウッド・デビューを振り返って/苦悩と実験/映画を超えて、音楽を超えて

第4章:神秘と職業

創造の神秘/音楽とは何か?/自分自身の探求/余談

第5章:絶対音楽?

原点/時代の闘争に対する答え――「動的不動」に向けて/音楽における創造説と進化論/信仰――生命と宇宙の起源/神秘的制作/結束の理想――融合と希望/言語的交流、形式、組み合わせ/音楽の未来――雑音と沈黙

第6章:未来に向けた静かな合意

付録:証言
ボリス・ポレーナ
セルジオ・ミチェーリ
ルイス・バカロフ
カルロ・ヴェルドーネ
ジュリアーノ・モンタルド
ベルナルド・ベルトルッチ
ジュゼッペ・トルナトーレ

絶対音楽年表
応用音楽年表
掲載写真クレジット
謝辞
人名索引

<PROFILE>

【著者】
エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)
1928年生まれ。ローマのサンタ・チェチーリア音楽院でトランペットと作曲を学んだ後、音楽の幅広い領域で活動を開始。やがて音楽の領域を乗り越え、演劇、ラジオ、テレビ、映画用の音楽を手がけるようになる。これまでに450以上の映画音楽を手がけ、それ以外にも100以上のオリジナル作品〈絶対音楽〉を発表した。
2007年第79回アカデミー賞で、その功績を称えた名誉賞を受賞。2016年第88回アカデミー賞では、映画『ヘイトフル・エイト』(クエンティン・タランティーノ監督)の音楽で作曲賞を受賞した。2020年没。2021年にはその姿を追ったドキュメンタリー映画『Ennio(原題)』(ジュゼッペ・トルナトーレ監督)が発表された。
www.enniomorricone.org

アレッサンドロ・デ・ローザ(Alessandro De Rosa)
1985年生まれ。ギターを学んだ後、エンニオ・モリコーネの助言を受けて作曲を学ぶ。ボリス・ポレーナに師事。ハーグ王立音楽院(オランダ)修了。作曲家ならびに編曲家として、ロック・バンド“イエス”のジョン・アンダーソンに楽曲提供。現在、イタリア放送協会RAI、スイス放送協会イタリア語放送局RSIにて作曲に従事する。
www.alessandroderosa.com

【訳者】
石田聖子(いしだ・さとこ)
1979年福岡県生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程修了、ボローニャ大学大学院博士後期課程修了。博士(学術、映画演劇学)。現在、名古屋外国語大学世界教養学部准教授。専攻はイタリア文学と映画。主な業績に『世界は映画でできている』(編著、名古屋外国語大学出版会、2021年)、「ピノッキオの身体をめぐって―〈ピノッキアーテ〉と視覚文化」(『イタリア学会誌』第69号)、訳書に『ウンベルト・エーコの世界文明講義』(ウンベルト・エーコ著、共訳、河出書房新社、2018年)、『海底バール』(ステファノ・ベンニ著、河出書房新社、2013年)などがある。

岡部源蔵(おかべ・げんぞう)
東京外国語大学入学後2000年よりローマ・La Sapienza大学文学部に学ぶ。ローマ大学在学中に、ペルージャ国立音楽院クラシックサックス科にも同時に籍を置き2007年同音楽院卒。2014年オランダ・ハーグ王立音楽院ジャズサックス科マスター課程修了。サックス奏者兼作曲家としてリーダープロジェクトOkabe Familyで『Disoriental』をはじめ四作のアルバムを発表。