ロバート・フリップ(Robert Fripp)はGuitarist誌のインタビューの中で、
キング・クリムゾン(King Crimson)の「メンバー間の印税の分配」が懸念になった瞬間を振り返っています。
1974年に終了したバンドの最初の活動では、ソングライティングへの貢献度に関係なく、バンド内のミュージシャン全員が印税を分け合っていました。
しかし、1981年の再結成時に
エイドリアン・ブリュー(Adrian Belew)が加入すると、均等に分配されていた印税が問題となり、90年代以降はメンバー全員に分配されるのではなく、それぞれの貢献度に応じて分配されるようになりました。
バンド内で金銭が争点になったことはあるかと問われ、フリップはこう答えています。
「クリムゾンのミュージシャンで個人的に困るのは、他のプレイヤーや音楽よりも自分を優先してしまう場合です。クリムゾンでは、音楽が最優先される。これが原則1。原則2はバンドが第一。バンドの利益は、他のプレイヤーの利益よりも優先される。そして原則3はお金をシェアする。これがなぜ難しいのだろうか? この3つの原則が、この後に続くすべてのことへの手がかりになります。
音楽が第一なら、全員の名前が一番上にあるはず。レコードの印税を分け合い、音楽出版の印税も分け合う。しかし、もし一人の人間が全ての音楽を書いているのなら、その人間から不公平な部分があるのでは?という正当な懸念がでてくる。答えはイエス。これは、エイドリアン・ブリューにとって、正当な懸念だったのです。
1994年以降、私たちはこの作品のライティングに最も貢献したのは誰なのかを本質的に検討するようになった。1970年から1974年の間、ロバート(※ここではフリップは自身のことをロバートと呼んでいる)が主要なライターだったときは、たとえビル・ブルーフォードが一音も書いていなくても、彼は出版収入の均等な分け前を受け取っていた。なぜか?第一に、平等なコミットメントがあるところには、公平な分配があるという考え方を例証していたからである。
第二に、もしロバートが価値判断を下したり、この方向に進むことを推奨したりしたとしても、音楽的あるいはビジネス的な方向性のいずれについても、私が勧めることで私に有利になるということは決してなかった。ロバートと利害が対立することはなかった。もし私が“これをやるべきだと思う”と言った場合、それは主に音楽のため、それから主にバンドの利益のためなどだった」