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映画『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』 ブレント・ウィルソン監督の公式インタビュー公開

2022/08/18 20:02掲載
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ブライアン・ウィルソン/約束の旅路 (c)2021TEXAS PET SOUNDS PRODUCTIONS, LLC
ブライアン・ウィルソン/約束の旅路 (c)2021TEXAS PET SOUNDS PRODUCTIONS, LLC
ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)の新しいドキュメンタリー映画『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(原題:Brian Wilson: Long Promised Road)』。本作の監督を務めたブレント・ウィルソンのオフィシャルインタビューが公開されています。

ブライアン・ウィルソンのドキュメンタリーを撮ろうと思ったきっかけ

長い間、ブライアン・ウィルソン、ビーチ・ボーイズファンではあったんです。たくさんのドキュメンタリーも観て、本もたくさん読んできました。それでもブライアン・ウィルソンがどういう人間かは分からなかったんです。それで自分がそれをやるべき人間だと思いました。そこから本物のブライアン・ウィルソンをどういうふうに見つけていくかっていう道をたどることになったわけです。まず、「スピリチュアルハーモニー」というドキュメンタリーを作りました。ブライアン・ウィルソンも出演してくれています。1950年代のドゥーワップのミュージックについてのものです。その映画を作る過程において、ブライアンにインタビューすることができました。そして次のプロジェクトを考えた時に、次はブライアン・ウィルソンはどうだろうとなったわけです。すでに彼とのつながりがあったから、アイディアを持ってアプローチをかけました。そして素晴らしいことにブライアンは“イエス”と言ってくれたわけです。そして自分の音楽のヒーローの映画を作ることになりました

はじめは通常のインタビューで構成しようと考えていたと伺いましたが、
ブライアンとジェイソン・ファインのドライブ形式での撮影に切り替えた理由を教えてください。

最初は今の状態とは全く違う方法で撮ろうとしました。まあ必然というか流れでドライブ形式になりました。私一人でインタビューを3度試みましが、それは全部散々たるものでした。それで私は失敗した、キャリアも終わった、もう二度と映画を作れないんじゃないかと思いました。でもローリングストーンの編集者のジェイソン・ファインに連絡したらどうかとブライアンのマネージャーから私に提案してくれました。ジェイソンは何度もインタビューをしてきているし、大事な友人でもある。ブライアンをインタビューするにあたってジェイソンにそのプロセスについて聞いたら、ブライアンをそのまま車に乗せてLA中をドライブしながらその間に質問をするというものでした。それを聞いて素晴らしい映画になりそうだと予感しました。自分自身が観たいような映画になるんじゃないかと思ったんです。ブライアンが音楽界の王子で、LAの世界に生きている、まして友達と一緒に音楽を聴きながら車でドライブをするというものですよね。ジェイソンにカメラに映る側はどうだろうと相談したらイエスと言ってくれた。そういういきさつがありました。

今回の撮影で大変だったことは?

私が望んだのはすぐカメラの存在を忘れてくれるということでした。小さいカメラが車の中に色々仕掛けられているんですけど、車が走り出したら、時間を忘れてカメラの存在も忘れてくれることも願ってましたし、それを期待していました。ただ二人のバディが街を走っているって感じですね。運がいいことにそういうことになりました。その車の後ろを走っている車に僕は乗っていました。彼らが何を話しているかは僕は聞こえている状態です。後ろからついて行って会話を聞きながら、たまにジェイソンにテキストを送って質問を投げたりしていました。ジェイソンはとても大変な作業が待っていて、とても大切な荷物を運びながら、私のテキストにも応えて、さらに音楽を選びながらかけて、そして運転をしているというタスクが山盛りだったんです。なのでジェイソンは事故を起こしてしまうんじゃないかと本気で怖がっていました。幸運なことに彼は上手くやってくれましたね。ブライアンもすごくわかりにくい曲をリクエストしたりして、ジェイソンはとても大変だったと思います。

今回、撮影には3年間、編集に9か月かかったと伺いました。
映画に映し出されていないブライアン・ウィルソンはどのような様子だったのでしょうか?

十代のころに家族とよく行っていたメキシカンのレストランがあってブライアンもいいね!って言ってくれてたので、そこに行こうとブライアンを迎えに行ったらやっぱり行かないってなって、、その店5回くらい予約しました。毎日のようにそういうことが起きるわけです。全く予想がつかないタイプの人間でした。良いことでもあるし、悪いことでもあるけれど、良い意味で裏切ってくれるということでもある。弟のソロアルバムを作るというシーンがあるかと思うのですが、デニスがレコーディングした「パシフィックオーシャンブルー」ですが、ブライアンは一度も聞いたことが無かった。彼が聞きたいと言ってくれたことに僕とジェイソンはとても驚きました。このように良い意味でのサプライズが多かったです。

ビーチ・ボーイズやブライアン・ウィルソンの個人的な写真やホームビデオなども多数登場しておりましたが、
これは本人から提供されたものなのでしょうか?

 ブライアンの写真とかプライベートなところまでアクセスする権利を貰えて、すごく光栄でした。結婚式の映像を見せてくれないか?という質問に対してイエスと言ってくれて、ブライアンの妻のミランダも了承してくれました。誓いを立てるところで失敗をする、言いよどんでしまうというのを見つけました。その辺は本当に普通の男性だと思いました。そういった部分も映画の中に入れることができて本当に嬉しいです。それはブライアンと家族から信頼を得た結果で、とてもありがたく思います。

撮影を通して、改めてブライアン・ウィルソンという人物はどのような人だと思いますか?

ブライアンの人間らしい面とレジェンドの面を両方発見できました。彼がどれだけユーモアのセンスがあり、仲間たちと一緒にいるとき、バンドメンバーやクルーと一緒にいるときなどはとても楽しかったし、その一面を見れたことはとても嬉しかったです。
アスリートとしても素晴らしいというのも驚きました。オタクっぽい感じでレコードばっかり聞いてるような高校時代を過ごしているっていうイメージがあったのですが、フットボールチームのクウォーターバックでもあったし、野球のチームではセンターを守っていたし、たくさん友達もいて、本当に普通のティーンエージャーで、野球をやりたいという夢があった。どれだけ普通だったかということが発見でした。

見所や、ファンへメッセージをください

人間としての本当のブライアンをどう捉えているかっていうところ。そしてブライアン・ウィルソンが人としてどれだけ強いかも観てもらいたいです


この映画の中心となるのは、ブライアンと、米ローリングストーン誌のベテラン編集者で過去に何度もブライアンにインタビューしているジェイソン・ファインのロング・ドライブ。2人は、ブライアンの幼少期の家や『Surfin' Surfari』のジャケット写真が撮影されたパラダイス・コーブなど、ブライアンとビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の歴史の中で重要な場所を訪れ、ブライアンはリラックスした中で自身の人生や考えなどを語っています。映画ではブライアンの新たな一面をロードトリップの手法を用いて紹介しています。

この映画のために、2人は70時間以上の撮影を行い、さらに未公開の貴重なホームビデオーやアーカイブ映像、写真、コンサート、スタジオ、インタビュー映像なども収録されています。

監督のブレント・ウィルソン(血縁関係はなし)はもともと、通常のインタビューを軸に映画作りを試みたものの、うまくいかなかったという。ブレントは「彼はインタビューされることが嫌いだったし、彼はすでに何百万回も質問に答えている。互いとって苦痛の20分だった」と言い、「これでは映画はできない」と考えた結果、ブレントはミュージシャンとインタビュアーがロサンゼルスの周りをドライブしながら会話するという記事を思い出し、ブライアンのマネージャーに企画を提案。マネージャーから、ブライアンと良好な関係を築いているジェイソン・ファインを勧められ、この映画の企画が本格的に動きだします。

映画ではブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)エルトン・ジョン(Elton John)ジム・ジェイムズ(Jim James)、フー・ファイターズのテイラー・ホーキンス(Taylor Hawkins)、ニック・ジョナス、ジェイコブ・ディラン(Jakob Dylan)、アル・ジャーディン、ドン・ウォズらもインタビューに答えています。

映画の製作総指揮は、ブライアン・ウィルソン、メリンダ・ウィルソン、ジェイソン・ファインが務め、ジーン・シーバースが共同プロデューサーを務めます。

以下は以前に公開された映像

本編クリップ映像「貴重なレコーディング風景」編


本編クリップ映像「ブライアンの本音を引き出した方法とは?」編


本編クリップ映像「長年の友人が語るブライアンの本当の姿」編


本編クリップ映像「豪華交友ミュージシャン編」


日本版予告編映像


特報映像


本編クリップ映像


本編クリップ映像


本編クリップ映像


トレーラー映像


本編クリップ映像
■『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』
2022年8月12日(金) TOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開

【INTRODUCTION】
「サーフィン・U.S.A.」「グッド・バイブレーション」「神のみぞ知る」、そして名盤『ペット・サウンズ』『スマイル』。他の追随を許さない、聴く者の心を撃ち抜く歌唱と旋律の美しさ。音楽の神に愛された「ビーチ・ボーイズ」の創設メンバー、ブライアン・ウィルソン。その輝かしすぎる栄光の日々の半面、稀代の天才ソングライターが抱えていた、哀しくも壮絶な真実ー。人生の喜びと悲しみを振り返り、秘められた想いが今、「天才」自身の言葉によってつむがれる。

元ローリング・ストーン誌のベテラン編集者のジェイソン・ファインとともに、幼少期に過ごした家や「サーフィン・サファリ」のジャケット写真が撮影されたパラダイス・コーブなど、ゆかりの西海岸の街をめぐっていく。ホームビデオやレコーディング風景などの貴重なアーカイブ映像とともに、3年間で70時間以上にわたるインタビュー撮影で語られるのは、身を削ってもたどり着けない領域を目指すがためプレッシャーに苛まれ陥った薬物中毒、自由と金銭を奪われ続けた精神科医との関係、そして亡くなってしまったかけがえのない兄弟への確執と愛情。それでもブライアンには音楽があった。音楽が彼を世に導き、最悪の環境から救い出した。そして、家族とともに人間的な復活を遂げた。

音楽界の著名人がビーチ・ボーイズへの愛を語り、この映画のためにジム・ジェームス(マイ・モーニング・ジャケット)と共作した新曲「Right Where I Belong」や、ジミー・ロジャーズの《Honeycomb》やブライアン自身による《ロング・プロミスト・ロード》をはじめとする名曲をカヴァーする様子が映し出される。波乱万丈な人生を送り、生きる喜びをシンプルに表現し続けた、ブライアンの軌跡を辿る旅路の果てに見えた素顔とは?

監督:ブレント・ウィルソン 製作:ティム・ヘディントン、テリサ・スティール・ペイジ、ブレント・ウィルソン
出演:ブライアン・ウィルソン、ジェイソン・ファイン、ブルース・スプリングスティーン、エルトン・ジョン、ニック・ジョナス、リンダ・ペリー、ドン・ウォズ、ジェイコブ・ディラン、テイラー・ホーキンス、グスターボ・ドゥダメル、アル・ジャーディン、ジム・ジェームス、ボブ・ゴーディオ
2021年/アメリカ/英語/93分/原題:Brian Wilson: Long Promised Road/字幕監修:萩原健太
配給:パルコ ユニバーサル映画 宣伝:ポイント・セット

(c)2021TEXAS PET SOUNDS PRODUCTIONS, LLC