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伝説のスタジオミュージシャン集団レッキング・クルーのギタリスト、ビル・ピットマン死去

2022/08/13 17:40掲載
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Bill Pitman - Getty Imagesv
Bill Pitman - Getty Imagesv
伝説のスタジオミュージシャン集団レッキング・クルーの一員として活躍したギタリストのビル・ピットマン(Bill Pitman)が8月11日、カリフォルニア州ラキンタの自宅で死去。妻のジャネットがニューヨークタイムズに語ったところによると、転倒して背骨を折り、リハビリセンターで4週間過ごした後、自宅でホスピスケアを受けていました。102歳でした。

1920年2月12日にニュージャージー州ベルヴィルで生まれたピットマンは、幼い頃から音楽に親しんでいた。父親はロックフェラー・センターのNBCのベース奏者だった。ピットマンは幼い頃からギターを手にし、10代の頃、チャーリー・パーカーをはじめ、ニューヨークの有名ミュージシャンの演奏を聴きに行き、自らもミュージシャンとしての道を歩むことを決める。やがてカリフォルニアに移り住み、ロサンゼルス音楽院で学び、ペギー・リーのバンドにギタリストとして雇われ、数年のうちにセッション・ミュージシャンとして引っ張りだことなる。プロデューサーのフィル・スペクターと出会い、後にレッキング・クルーとして知られるようになる演奏家グループの一員となり、20世紀半ばのポピュラー音楽のサウンド形成に貢献した。

ピットマンは、ザ・ロネッツの「Be My Baby」、ビーチ・ボーイズの「Good Vibrations」、フランク・シナトラの「Strangers in the Night」、B・J・トーマスの「Raindrops Keep Fallin' on My Head」、バーブラ・ストライサンドの「The Way We Were」、ナンシー・シナトラの「These Boots Are Made for Walkin'」、ザ・バーズの「Mr. Tambourine Man」など、50年代から60年代にかけて、さまざまな有名な曲に参加した。

ピットマンはヒット曲のほか、『M★A★S★H マッシュ』(1970)、『初体験/リッジモント・ハイ』(1982)、『ダーティ・ダンシング』(1987)、『グッドフェローズ』(1990)など数多くの映画のサウンドトラックや、テレビ番組、広告ジングルにも多数参加した。『スタートレック』の初期エピソードにも参加しており、作曲家としてもクレジットされている。

1989年に引退した後も、趣味として個人的に音楽活動を続け、晩年はカリフォルニアに住んでいた。2019年、彼の妻はニューヨーク・タイムズ紙に、彼は「ほぼ毎日、家でギターを弾いている」と語っていた。

ピットマンはレッキング・クルーのドキュメンタリー映画『レッキング・クルー 〜伝説のミュージシャンたち〜』にも出演している。