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アイランド・レコードの創設者 予言者の助言で音楽業界に残ることを決心 その後にアイランドを立ち上げる

2022/06/14 16:53掲載
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Chris Blackwell  / The Islander: My Life in Music and Beyond
Chris Blackwell / The Islander: My Life in Music and Beyond
アイランド・レコードの創設者クリス・ブラックウェルは、レーベルを立ち上げる前、音楽業界に残るべきか悩んでいました。彼は決断できず、ジャマイカの予言者のもとを訪れました、「カードは嘘をつかない」と言われ、彼は音楽業界に残る決心をします。アイランド・レコードの成功はこの予言者のアドバイスから始まったのです。

彼の新しい回顧録『The Islander: My Life in Music and Beyond』にあわせたUltimate Classic Rockのインタビュー記事の中で報じられています。

ロンドンで生まれ、主にジャマイカで育ったブラックウェルは、若い頃には不動産管理、レコード販売、1962年のジェームズ・ボンド映画『007 ドクター・ノオ』のプロダクション・アシスタントやロケーション・スカウトなど、さまざまな仕事をしていました。撮影が終わると、プロデューサーのハリー・サルツマンからフルタイムの仕事をオファーされます。ブラックウェルは決断できず、予言者のもとを訪れます。「カードは嘘をつかない」と言われ、彼は、音楽業界に残る決心をしました。数十年後、ブラックウェルは、アイランド・レコードを立ち上げます。

ブラックウェルはUltimate Classic Rockのインタビューの中で、U2との契約を決断した理由についても語っています。

Q:この本の後半で、U2の第一印象について「もしデモテープで聴いただけだったら、パスしていただろう」と書いていますね。しかし、あなたは小さな会場で彼らのライヴを見て、ボノのエネルギーとグループ全体の姿勢を見て、彼らと契約することを決めました。その時のことを少し話していただけますか?

「クラブに入ったら、10人くらいしかいなかったと思うんだけど、バンドが登場したら15人くらいになったんだ(笑)。彼らが有名とかそういうことではなく、彼らのマネージャーが、僕が聴けるようにとセッティングしてくれたクラブだったんだ。彼らの演奏や情熱を目の当たりにして、最初の頃とは違う印象を持つようになった。その後に他の曲を聴いても、その情熱が伝わってきて、僕にとっては大きな収穫となったんだ。それと、とても重要なのは、彼らにマネージャーがいて、スーツを着ている人がいたことなんだ。僕はいつもサンダル履きでだらしないんだけど、彼はスーツを着ていた。U2の場合、17人ほどの小さなクラブに、とても身なりが良く、明らかに真面目なビジネスマンがいたことに、僕は本当に感動したんだ。僕は“彼をみれば、彼らの意欲と情熱が伝わってくる”と思った。今話したような理由、つまりマネージャーと彼らの情熱で、何の疑問もなく彼らと契約することに決めたんだ」

またボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズについても語っています。

Q:この本では、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズと初めて会ったとき、彼らには可能性があるとすぐに気づいたが、アイランドの同僚の多くは、ライヴで聴いたこともなく、従来の「ロック」や「ポップ」のグループには当てはまらないグループと契約するなんてどうかしていると思ったそうですね。彼らや彼らの音楽の何が、あなたを直感に従わせたのでしょうか?

「僕はジャマイカの音楽から始めたんだ。初めてプロデュースしたレコードはジャマイカで、コンサートで聴いたシンガーだった。コンサートの終わりに楽屋に行って“君はすごい。君をレコーディングしたい”と言った。彼はレコーディングをしたことがなかったんだけど“ぜひやりたい”って言ってくれた。そしたら近くにいた別の男が“俺はどうなの?ぜひやりたい”。また別の人が“ぜひやりたい”と言ってね(笑)。それで結局、ジャマイカのリズムとジャマイカのフィーリングを持った3人のアーティストをレコーディングして、最初の3枚は全部1位になったんだ。トップ5に3枚も入ったんだよ。そうやって始めたんだ。だから、僕の基本的な知識とか技術とか、そういうものだったんだよ」

Q:レコーディング業界、ラジオ業界、同僚など、周囲の雰囲気が必ずしも誠実でなかったとしても、あなたはその時、自分の選択に大きな信念を持っていたように聞こえます。

「マーリーたちの場合は、ジャマイカに戻る途中に到着したんだ。彼らはマネージャーからスカンジナビアで仕事をするように言われていたんだけど、それがうまくいかず、スカンジナビアからロンドンまで飛行機で戻ってきたものの、ジャマイカに戻るための航空券がなくて足止めを食らっていたんだ。それで、彼らは僕に会いに来てくれたんだよ。僕が彼らをジャマイカに帰す手助けができるかどうか、そしてレコードを作れるかどうか、そんなことを聞きに来たんだ。そうやって初めて会ったんだけど、3人ともすごくカリスマ性があるなと思った。僕のルーツはジャマイカの音楽だから、何か彼らの助けになるような、導いてあげられるようなことができるんじゃないかと思ったんだ。言葉もわかるし、音楽もよくわかる。あの音楽は本当によく理解できるんだ」