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クイーンのブライアン・メイ、フレディ没後に制作された『Made in Heaven』での「トラウマになる」経験を振り返る

2022/05/10 20:08掲載
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QUEEN / Made In Heaven
QUEEN / Made In Heaven
クイーン(Queen)ブライアン・メイ(Brian May)は、フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)が亡くなった後に制作されたアルバム『Made in Heaven』での「トラウマになる」経験を振り返っています。またブライアンは同作のことを「クイーンのアルバムの中で最も好きなアルバムだと思う」とも話しています。

BBC Radio 5 Liveのポッドキャスト『How Do You Cope』で、バンドのフロントマンがいない状態で初めてクイーンの音楽に取り組んだことについてこう振り返っていています。

「とても奇妙だった。それ自体がトラウマになったよ。何時間も何日も何週間もかけて、フレディのヴォーカルを少しづつ作っていったんだ。昼も夜もずっとフレディの歌を聴いていると“素晴らしい...このサウンドは素晴らしいフレ...ああ、君はここにいないんだ...”と思う瞬間があるんだ。

かなり大変だった。時には離れて、回復してまた戻ってくることもあった。でも、フレディが残してくれた最後の一滴を搾り取ることに、大きな誇りと喜びを感じていたんだ。

あのアルバムは今でも大好きなんだ。クイーンのアルバムの中で最も好きなアルバムだと思う。あのアルバムには、とても深いものがあるんだ。とても素晴らしいよ」

同じインタビューの中で、ブライアンはフレディが亡くなった後、その痛みから目をそらすために、彼とドラマーのロジャー・テイラーは共にソロ・プロジェクトに打ち込んだ時のことも話しています。

「ロジャーも僕も、普通に悲嘆を経験したと思うんだけど、公にしなければならないということがね、僕たちを否定的にさせてしまった。“僕たちはクイーンをやっていたけど、今は別のことをやっているんだ”みたいなね。

ロジャーと僕はソロ活動に没頭し、クイーンのことは話したくなかった。人生の半分をクイーンに費やしたんだから、それはほとんどナンセンスなことだと思うけど、当時は話したくなかった。僕たちはただ過剰に補っていたんだ。それが長い間続いた。

僕は、ソロの公演でジョン・レノンのゴッド・ソングをアレンジして“もうクイーンは信じない”と言うまでになった。あれは過剰反応だったね。そんなことをする必要はなかったのに」

フレディを失ったのと同じ年に、ブライアンは父親をがんで亡くしています。人生において非常に重要な2人の人物を失ったことにどう対処したかを振り返り、「とても大変だった。とてもつらかった。父を失ったことは、僕にとって非常に重要なことであり、それを受け入れるのは非常に難しいことだったけど、それは個人的なことでした」

「フレディを失ったことは兄弟を失ったようなものですが、世間の注目を浴びることになった。

僕たちは、フレディを失ったことを公にしなければならないという、永遠の車輪に引きずり込まれたようなものなんだ。だから、僕は彼の命日には隠れてしまうんだ。

フレディの命日には、世間ではいろいろなお祝いをするけれど、僕はしたくないし、できないと思っている。彼の誕生日や初めて一緒になった日は祝うけど、彼を失った日は決して頭の中で整理することができない。いいことなんて何一つなかったんだ」