HOME > ニュース >

プリンスはカヴァー曲は独創性に欠けるものと考えていたがフー・ファイターズだけは例外だった 元アシスタント語る

2022/04/26 15:40掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Prince
Prince
アーティストたちは、誰かが自分の曲をカヴァーしたとき、それを褒め言葉として受け取ることが多いですが、プリンス(Prince)はそうではなく、カヴァー曲は独創性に欠けるものと考えていたようです。しかし、プリンスの元アシスタントによると、フー・ファイターズ(Foo Fighters)によるカヴァーだけは例外だったようです。

プリンスは2011年にジョージ・ロペスとのインタビューの中で、カヴァー曲についてこう話していました。

「ファンが歌うのは構わない。問題は、業界の人が音楽をカヴァーする場合だ。カヴァーするということは、自分の音楽がもう存在しないことを意味する。僕がシニード・オコナーの曲(「Nothing Compares 2 U」)やチャカ・カーンの曲(「I Feel for You」)をやっていると思われることが多いけど、実際はあれは僕が書いた曲なんだ」

フー・ファイターズは2003年に、プリンスの「Darling Nikki」を録音し、オーストラリアで発売されたシングル「Have It All」のBサイドに収録しています。バンドはプリンスにこの曲を米国でリリースする許可を求めましたが、彼はそれを拒否しました。

翌年のEntertainment Weekly誌のインタビューでプリンスは「NO!自分の作品をカヴァーされるのは嫌なんだ。自分の曲を書けよ!」と発言したとされていました。

しかし、実際にはそうではなかったようです。プリンスの元アシスタント、Ruth Violette Arzateは最近、プリンスと交わした会話を回想する長文をネットに投稿しており、その中でフー・ファイターズについても語っています。

Arzateはプリンスにフー・ファイターズが演奏する「Darling Nikki」についてどう思うか尋ねたところ、プリンスは「最高だよ」と答えたという。Arzateは先述の2004年のEntertainment Weeklyの記事について言及し、こう書いています。

「“まず、読んだものすべてを信じてはいけない。あの発言は文脈を無視したものだ”とプリンスは断言した。“第二に、あのバンドは、本来演奏されるべき方法であの曲を体現していた。彼らは、僕のロックソングでアルバム1枚を作れるほど優秀なんだ”」

2007年、プリンスはスーパーボウルのハーフタイムショーで、フー・ファイターズの「Best of You」をカヴァーしました。

これにはフー・ファイターズのメンバーは戸惑ったようで、テイラー・ホーキンズは当時、MTVのインタビューで「彼がなぜそんなことをしたのか、僕にはわからない。彼は僕らに対するある種の“F-k you”としてやっているのか、それとも本当にこの曲が好きなのか、そんなことが頭をよぎったんだ。いずれにせよ、プリンスのような人が僕らの曲をカヴァーしてくれて、しかも僕らよりも上手くやってくれるなんて、かなり驚きだったよ」

フー・ファイターズは同年末のMTVビデオ・ミュージック・アワードで、プリンス「Darling Nikki」をカヴァー演奏する許可をプリンスに求めると、プリンスはその要求を認めました。

Arzateによると、プリンスは彼らのパフォーマンスを賞賛していたという。「デイヴ(・グロール)が曲の完成度を保ったまま演奏しているところが好きなんだ」と彼は言ったという。