マダガスカル島に暮らす“歌うキツネザル”のインドリと、英バンドの
クイーン(Queen)。この2つにどんな関係があるのか、米国の公共ラジオ局の番組は「Lemurs Will Rock You」と題して紹介しています。
研究者たちは、インドリの数百もの歌を分析した結果、2つの音の長さが一定の間隔になるリズムが使われていることを発見しています。これまで、こうしたリズムを駆使して歌うのは人間の他には鳥類だけとされており、人間以外の哺乳類で発見されたのは初めてでした。
発見されたリズムの中には、1つの音の長さが他の音の2倍になる「1:2」のパターンもありました。
「1:2」は人間が作る音楽のリズムパターンとしては一般的なもので、有名な曲のひとつに、クイーンの「We Will Rock You」のイントロがあります。この曲では、足を踏み鳴らし、手を叩いて、タ・タ・タンというパターンを繰り返しています。
番組では、「We Will Rock You」のイントロと、インドリの歌声を実際に比較しています。
■8分34秒過ぎから
出演:BERLY MCCOY、AARON SCOTT、CHIARA DE GREGORIO
MCCOY: やっと有名なロック・バンドであるクイーンについて話せますね。
(クイーンの「We Will Rock You」が流れる)
MCCOY:クイーンはかなりスローにしないといけないけど。でも、私たちの信頼するエンジニア、ジョシュ・ニューウェルがそれをやってくれました。
(スローになった「We Will Rock You」が流れる)
DE GREGORIO:「We Will Rock You」のイントロは、有名な部分だけど(曲のリズムを真似て)3つの音の繰り返しです。インドリの歌もだいたい同じような感じです。例えば、この3つの音があります。
(インドリの歌声が流れる)
DE GREGORIO:インターバル、そして3音。
(インドリの歌声がまた流れる)
DE GREGORIO:「We Will Rock You」の曲では、3つの音は、同じ間隔を保っています。しかし、2つの音のグループの間、つまり真ん中には、2倍の間隔があるのです。そしてそれは、インドリの曲でも同じことが起こっているのです。
(スローになった「We Will Rock You」とインドリの歌声が流れる)
SCOTT: ああ、確かに聞こえますね。ロック史上最も複雑なリズムというわけではありませんが、実際には複雑なプロセスで、かなり稀なことだと思います。
MCCOY: そうです、私たちの種の中では、私たちが知っているほとんどすべての文化の音楽の中で、この現象が記録されています。しかし、人間以外では鳥類で発見されただけでした。