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Spotifyは2021年 音楽業界に8500億円以上のロイヤリティを支払う 5万人以上が120万円以上を得る

2022/03/25 16:03掲載
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Spotify
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音楽配信サービスの大手Spotifyは、2021年、音楽業界の権利保有者に70億ドル(約8526億円)のロイヤリティを支払ったことを明らかにしています。

これは、2021年の音楽業界の総収入の約25%を占めており、また同社によれば、これは一サービスが払う金額としては、CD時代の最盛期を含め、歴史上どのサービスや小売業者よりも多い史上最高額だという。

この報告は、Spotifyが支払いに関する「透明性を高める」ことを目的に、昨年開設したウェブサイト「Loud And Clear」で発表されています。

報告によると、2021年に52,600組のアーティストがSpotifyから1万ドル(約122万円)以上の収益を権利者にもたらしたという。そのうち、450組のアーティストが200万ドル(約2億4000万円)以上、130組のアーティストが500万ドル(約6億円)以上の収益をもたらしたという。また、2021年に初めて1,000組以上のアーティストが100万ドル以上(約1億2000万円)の収益をもたらしたとしています。

10,000ドル〜49,999ドル: 36,100組
50,000ドル〜99,999ドル:7,000組
100,000ドル〜499,999ドル:7,330組
500,000ドル〜999,999ドル:1,130組
100万ドル〜199万9999ドル:590組
200万ドル〜499万9999ドル:320組
500万ドル以上 130組

あくまで収益は権利者にもたらした金額なので、例えば、Spotifyのロイヤリティが1万ドル(約122万円)のアーティストの場合、レコード会社と音楽出版社の取り分を考慮すると、2,000ドル(約2万4000円)ぐらいしか受け取れないかもしれません。バンドの場合、この2,000ドルはさらにメンバー分で分配されます。

ソングライターやセッションミュージシャンの報酬はさらに低く、多くの人が生活費を稼ぐのに苦労しています。

2021年にSpotifyのロイヤリティが1万ドル以上だったアーティストの約28%(約15,140人)は、TuneCore、Ditto、DistroKid、CD Babyなどを介して自分の音楽をアップロードしており、収益の大部分はアーティスト自身が保持していることになります。

Spotifyによると、これまでに約800万人が同社のサービスに楽曲をアップロードしており、毎日6万曲の新曲が配信されているという。その結果、Spotifyに登録しているアーティストの99.3%は、年間1万ドル以下の収入しか得ていません。

同社は、データベースに登録されている800万人のアーティストの半数以上は、アップロードした楽曲が10曲未満であり、「そのため、キャリアのかなり初期の段階にあるか、趣味としてやっているかもしれない」と、Spotifyの音楽製品グローバル責任者のチャーリー・ヘルマンは、Music Allyとのインタビューで述べています。

Spotifyによると、CD全盛期には、米国のアルバム売上の25%近くが上位50組のアーティストによって占められていましたが、2021年のSpotifyでは、米国内のストリーミングのうち、トップ50のアーティストのものはわずか12%でした。

ヘルマンによると、1万ドル以上を稼ぐアーティストの数は、過去12ヶ月で1万100人増加しています。Spotifyは、ストリーミング時代に生計を立てているアーティストの数は、過去のどの時代よりも多いと主張しています。