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ポリスのスチュワート・コープランドが「もし機会があれば再録音したいポリス楽曲」は?

2022/03/21 17:56掲載
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Stewart Copeland
Stewart Copeland
ポリス(The Police)スチュワート・コープランド(Stewart Copeland)が「もし機会があれば再録音したいポリス楽曲」は? サイトvultureのインタビューの中で語っています。このほか、「最も不気味なラブソング」「最も過小評価されている曲」「最も過剰に分析されたドラムパート」「最も多く誤読されたアルバムタイトル」などについても語っています。

●もし機会があれば再録音したい曲

「あるんだけど、誰も賛成してくれないんだよね。”Wrapped Around Your Finger”だよ」「“Wrapped Around Your Finger”は、もっと違うことをしたかったけど、それでもなんとなくうまくいった。もしかしたら、失敗していたかもしれない。みんなは“いや、あれは素晴らしい演奏だ”と言うけれど、僕には自分の迷いが聴こえる。そのリズムにあまり馴染めなかったという声が聞こえてきそうなんだよ。でも、ドラマー仲間は、このリズムは探検的な感じがして、そこがクールだと言ってくれた。

もうひとつ。“Message in a Bottle”の最後。最後にドラムのオーバーダブを入れすぎたんだ。最後の方は、ちょっと気が狂いそうだった。“Message in a Bottle”の最後にクラッシーバッシーを入れすぎたと、今になって思う。今だったら、もっときれいにするんだろうけど。でも、僕の好みが必ずしも時代的なものであるとは限らない。スティングは、普通の人が何を好むかについて、もっといい考えを持っていたんだ」



●最も不気味なラブソング

「答えはわかっているはずだ。誰もがその答えを知っている。“Every Breath You Take ”が一番恐ろしい。この曲が結婚式でウエディングソングとして流れているのを見て、喜ばない人はいないでしょう。それの何が好きでないのか? “Don't Stand So Close to Me”もかなり不気味だ。みんな、僕が歌詞を聴いていると思い込んでいるんだよね。聴いてないよ。ステージの後ろで叩いてるだけさ(笑)」

※「Every Breath You Take(見つめていたい)」はラブソングだと解釈されることが多いですが、歌詞は「偏執的な愛で対象を監視する」という風にも解釈できる内容です。



●最も過小評価されている曲

「“Murder by Numbers”と言いたいね。だってB面だったからね。コンサートのときはいつもこの曲がとても人気だった。今、オーケストラのショーで演奏しているけど、とても人気があるよ。とても誇りに思っているんだ。チャンスはなかったけど、ある意味、カルト的な地位を獲得したんだ」



●最も過剰に分析されたドラムパート

「“Spirits in the Material World”は、みんなが“どうやったらそんなことができるんだ?”と言うような曲だ。自分でもよくわからない。このリズムは、カシオの小さなシーケンスからとったんだ。もう買えないよ。複雑すぎるんだ。昔は1フィートくらいの小さなカシオが手に入り、小さなリズムがあったんだけどね。アンディはそれで“Spirits in the Material World”を書いたと思うんだけど、このリズムは高揚した雰囲気があるんだ。すべてアップなんだ。ダウンがない。ナイフの刃の上を滑っているような感じだ。最も難しい曲のひとつ。一番シンプルな曲だけど、演奏するのが怖い曲なんだ」

「ドラム・ブレイクというのは、実は筋肉的なものなのだと、後になって気がついた。繰り返しの動作で、とても体力を消耗するんだ。同じ動作を、たとえちょっとした動作でも、やり続けるというのは、大変なことなんだよ。だから、オーケストラがミニマルな音楽、たとえばフィリップ・グラスやスティーヴ・ライヒの演奏を嫌うのは、同じことをバリエーションなくやらなければならないからね」

「ドラムは本当に大変な仕事だ。最近、新しいことを学んだ。ギターの場合、一日中、一晩中、何日もリハーサルをすることができる。でもドラムの場合は6時までには終わる。もう終わりなんだ。シャワーを浴びなければならない。リハーサルにはTシャツを3枚持っていくんだ、肉体労働だからね。バンドを背負って、ハイウェイを一歩一歩歩いていかなければならないから。ギタリストの場合、ほとんどの場合、ただ立っているだけでハンサムに見えるんだ」



●最も多く誤読されたアルバムタイトル

「みんなそうだよ。『Zenyatta Mondatta(邦題:ゼニヤッタ・モンダッタ)』の正しい発音はないんだ。アルバム・タイトルにもトリックがあるんだよ(笑)。『Reggatta de Blanc』は難しいね。“Reg-att-a de Blanc”とするか、“Rega-ta de Blanc”とするか、僕たちの間では意見が分かれたんだ。最初の3枚は、そのようなアルバムタイトルの付け方をしていた。最後の2枚は、スティングが書いた曲の中心的なテーゼから名付けた。ひとつは『Ghost in the Machine』という、その名の本にちなんだもの。もうひとつは『Synchronicity』で、これはカール・ユングの理論だ。これは後から知った。その時は、そんなこと知る由もなかったんだ。僕らのアルバムに正しい発音はないんだよ。自分の好きなように発音すればいい」