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音楽を聴くことは、本当に人を落ち着かせ、不安を軽減させる 最新研究結果

2022/03/10 15:38掲載
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音楽を聴くと落ち着くという方も多いかと思いますが、新しい研究によると、音楽を聴くことで本当に人を落ち着かせ、不安を軽減させることができると実証されており、おそらく一部の抗不安薬よりも効果的であると考えられています。

カナダ・トロンのトライアソン大学の研究チームは、抗不安薬を服用している163人の患者を対象に、音楽、聴覚ビート刺激(ABS/脳活動の変化を誘発するように設計された音)、その両方、または「ピンクノイズ」(ホワイトノイズに似た背景音)を用いた自宅での治療セッションを実施しました。実験の際、AI(人工知能)は、患者の感情状態や音楽の好みに基づいて、それぞれの人に合った音楽を選択しています。

治療セッションは、参加者はスマートフォンに対象アプリをダウンロードし、目を閉じて24分間のセッションを聴くというものでした。

治療セッションの前に中程度の不安を抱えていた患者たちでは、音楽とABSの両方を聴いた後に、不安の身体的症状がより軽減されることが分かりました。また、音楽だけを聴いた患者でも、ピンクノイズを聴いた患者と比べて大きな減少が見られました。

音楽とABSの両方を聴いた中程度の不安を抱えていた患者では、認知状態不安(思考や感情に関連する不安の側面)が最も大きく軽減されました。セッション前に不安が強かった人では、音楽のみのグループはABSグループと比較して「有意に高い」不安の軽減が見られました。

研究著者のFrank Russo博士とAdiel Mallik博士は、音を使った治療は不安を軽減するのに「効果的」であると結論付けています。音楽は潜在的に、人々の不安を治療するシンプルで簡単にできるものとなる可能性があるという。

研究者は「この研究結果は、パーソナライズされた音楽が、不安に苦しむ特定の層の人々の不安を効果的に軽減することが期待できることを示しており、大変喜ばしいものです。さらなる研究により、患者たちの不安を軽減するために使用できる臨床医のツールボックスにおける追加ツールとして、パーソナライズされた音楽の使用をさらに支援する確固たる証拠基盤を構築する手助けができることを願っています」とコメントしています。

この研究結果は、学術誌「PLoS ONE」に掲載されています。