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TOTO「Rosanna」の象徴的なシンセ・ソロ、デヴィッド・ペイチとスティーヴ・ポーカロが制作秘話を語る

2022/02/10 17:30掲載
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TOTO / TOTO IV
TOTO / TOTO IV
TOTOの『TOTO IV』に収録されている「Rosanna」には象徴的なシンセ・ソロが収録されています。デヴィッド・ペイチ(David Paich)スティーヴ・ポーカロ(Steve Porcaro)は、Keyboard Magazineのインタビューの中で、どのようにしてこのソロを作ったのか制作秘話を話しています。キース・エマーソンがこの曲を好きな理由についても話しています。

■スティーヴ・ポーカロ

「“Rosanna”はすぐに出来上がったんだ。僕は、デヴィッドのスタジオThe Manorでシンセの仕事をしていた。

ある時、彼はソロを弾いて、ハモンドを使って実験したり、バックワードを試してみたりしていた。僕は、壮大なソロのアイデアを進めていた。

一方、僕が作業をしている間に、彼らはすでにホーンのアレンジを終えていた。ホーンはデヴィッドのソロに対応するラインをいくつか持っていたんだ。つまり、すべての要素がすでにあったんだよ。

ある日の深夜、真剣に考えながら歩いていると、冒頭のフレーズが浮かんできた。

キース・エマーソンのような英雄的なオープニングを作りたかったんだけど、フランク・ザッパのアルバム『Sheik Yerbouti』から引用したブリップされたトランペットの音を使っているんだ。これは、トミー・マーズとザッパの共演から生まれたものなんだ。

僕はこのタイプのサウンドが大好き。冒頭のラインは決まっていたし、力強さも感じられ、気に入っていたよ」

「僕がソロを作り始めて最初にやったことは、すべてのトラックが欲しかったので、彼のソロを消してしまったこと。少なくとも僕は、ソロを消したと思っていたんだ。

それから、すべての要素を組み合わせたところ、最後の一部分が欠けていたんだ。僕たちは行き詰まってしまったけど、ふと見ると、デヴィッドのソロを最後まで消していなかった。トラックのミュートを解除すると、そこには彼がやったクールな逆ハモンドの音があったんだ。それが“Rosanna”のソロを締めているんだよ」

●デヴィッド・ペイチ

「最後まで消さずに使ってくれたことに感謝している。おかげで素晴らしいアウトロになった。幸せな事故だね」

「僕たちのバンドを理解してほしいんだ。僕たちがキーボード・パートで何か面白いものを演奏すると、彼らはすぐにフェーダーに手を伸ばし、それを下げてしまうんだよ。

(完成したソロを聴いて)スティーヴと僕は“こりゃあ、この件でバンドミーティングが行われるな”と思ったんだけど、でも(エンジニアの)グレッグ(ラダニー)は、バンドの好みに合わせて音量を下げることを知らなかったんだ。彼は聴いたままの音をミックスしたんだ。キース・エマーソンは、なぜこの曲が好きなのかというと、ソロがレコード全体を引き立てているからだと言っていたよ」