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ジョン・レノン生前最後のステージパフォーマンス、エルトン・ジョンの長年のギタリストが逸話を語る

2022/01/19 17:27掲載
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Davey Johnstone and Elton John in 1974. (Photo: Robert Knight Archive/Redferns)
Davey Johnstone and Elton John in 1974. (Photo: Robert Knight Archive/Redferns)
ジョン・レノン(John Lennon)生前最後のステージ・パフォーマンスとなった、1974年11月28日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたエルトン・ジョン(Elton John)のコンサート。エルトン・ジョンの長年のギタリストであるデイヴィー・ジョンストン(Davey Johnstone)は、米Yahooのインタビューの中で、当日の逸話を語っています。

このコンサートは、別居していたジョンとオノ・ヨーコが最終的に和解するきっかけとなったものでした。

「その夜、ヨーコはライヴに来ていたんだけど、ジョンは彼女が客席にいることを知らなかった。もし、ヨーコが来ていることを知っていたら、ジョンはすごく緊張したと思うよ。その後すぐに二人は一緒になったし、二人にとってはとても特別なことだったんだ」

ジョンストンは、エルトンがジョンのアシスタントであるトニー・キングと共謀して、ヨーコをライヴに呼んだと考えています。

「彼らは彼女が来ることを知っていたし、その他のこともすべて知っていた。そして、ヨーコは実際にジョンに“ライヴの成功を祈っています”と言って、きれいなクチナシの花を送ってくれたんだ。ジョンのボタンホールには、ヨーコから贈られたクチナシの花が飾られているんだよ。でも、彼はその時、彼女がコンサートに来ていることを知らなかったんだ」

しかし、ジョンは当日、ヨーコが客席にいることを知らなくても緊張していました。ジョンは、2年前のマディソン・スクエア・ガーデンでの公演以来、まったくライヴをしていませんでした。このライヴではビートルズ楽曲を2曲歌う予定でしたが、ビートルズ楽曲の演奏は、1969年1月30日にアップル・コアの屋上で行ったゲリラライヴ「ルーフトップ・コンサート」以来でした。

ジョンストンは、前夜に行ったジョンとエルトン・バンドの「クイック・リハーサル」はうまくいったと振り返っていますが、これは「リハーサルというほどのものではなかったよ。おしゃべりして笑って何杯か飲んだだけ」だったという。

そして、1974年11月28日にMSGに現れたとき、ジョンは完全に緊張していました。

「コンサートの夜、僕は楽屋ですべての楽器のチューニングをしていたんだけど、ジョンが怯えた様子で楽屋に入ってきたんだ。僕は“ジョン、大丈夫?”と聞いた。彼は“うーん、ダメだね。吐きそうだよ。すごく緊張する”と言っていた。彼はずっと演奏していなかったからね。ジョンがライヴ・パフォーマンスをするのはとても久しぶりだったんだ。僕は彼のギターをチューニングして、彼をハグしてこう言ったんだ。“いいかい、あそこで会おう。きっと素晴らしいものになるよ!”」

大のビートルズ・ファンであるというジョンストンも内心緊張していたという。彼はステージ上で起こったことをこう話しています。

「エルトン、(ベーシストの)ディー・マーレイ、(ドラマーの)ナイジェル(オルソン)、(パーカッションの)レイ・クーパーと一緒に歩いているとき、“ジョン・レノンが僕たちと一緒にステージに上がるんだ!マジかよ!”と思ったんだよ。

エルトンがライヴの途中でジョンを発表したとき、それは大きなサプライズで、ニューヨーカーは誰もこのことを知らなかった。彼がニューヨーカーになったこと、そしてジョン・レノンであることから、会場は完全に熱狂したんだ。今考えると、とてもシュールな出来事だった。...こんな素晴らしい夜を忘れることはできないよ」

ジョンは「Whatever Gets You Thru the Night」「Lucy In The Sky With Diamonds」「I Saw Her Standing There」の演奏に加わります。

ジョンストンは「彼はステージ上で僕のすぐ隣にいたので、僕は“マジかよ!”と思って見ていた」と話しています。

翌日、ジョンストンのホテルの部屋にジョンがサプライズで訪ねてきたときのことも振り返っています。

「エルトンが僕に電話をかけてきて“すごいショーだったね! ジョンが君のところに遊びに来たいと言っているんだけど、いいかな?”と言っていた。僕が「もちろん!」と言ったあと、ジョンは15分後に僕の部屋にやってきた。雪が降っていて、彼は典型的な(ジョンの)姿をしていた。僕は(ホテルのドアにある)小さな覗き穴から外を見ていたので、彼が僕に向かって歩いてくる姿は決して忘れないよ。“僕の人生の中で最高の出来事のひとつだ”と思った。...多くの人がそうであるように、彼がいなくて寂しいよ。彼は伝説的な人物であり、ソングライターであり、芸術家であった」