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生後10日で左腕を切断した6歳の少年、父親が3Dプリンターで義手を作りドラム演奏の夢叶う 目標はリック・アレン

2021/12/29 13:08掲載
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Sol Smith-Ryan
Sol Smith-Ryan
生後10日で左腕を切断した6歳の少年、父親に3Dプリンターで義手を作ってもらい、スティックを持てるようになったことでドラム演奏の夢が叶いました。少年は現在、デフ・レパード(Def Leppard)の有名な片腕ドラマー、リック・アレン(Rick Allen)の後を継ぐことを目指しているという。

英デイリー・メール紙によると、この少年の名前はソル・スミス・ライアン君。ウェールズのアングルシー島に住んでいます。ソル君は、父親がドラムスティックを固定するアタッチメントを作ってくれたおかげで、ドラム演奏の夢が叶いました。

息子のために、できるだけ充実した生活を送ることを使命とする44歳の父親ベン・ライアンは、「ソルはずっとドラムを叩きたいと思っていて、クリスマスにドラムセットを手に入れたんだ。この子(リック・アレンという)すでに良いお手本を得ていて、自分の障害が足かせにならないことを知っているのは素晴らしいことだよ。テクノロジーを駆使して、彼が両手で演奏できるようになったことを誇りに思います」と述べています。

デイリー・メールによると、このアタッチメントは、3Dプリンターで作られた左腕のバイオニック・モジュラー・アームに固定できる3つのうちの1つ。このほか、右肩のストラップに取り付けられたケーブルを使って、人形劇のように開閉できる可動式のゴム製軽量ハンドや、スクーターに乗るときにハンドルにはめられる手もあり、作業に適した手を選択することができるという。この種のものとしては世界で初めてのものとのこと。

モーターや電子機器を使用していないため、壊れにくく、低コストで、水の中でも使用できるという。またこの義手は、新たにスキャンした3Dソケットを追加してアップグレードすることができるので、これにより、子供が成長するたびにまったく新しい義手を用意する必要がなくなるという。

父親のベンはもともと心理学の教師をしていましたが、NHS(国民保健サービス)の義手作りの待ち行列に直面した彼は、自分で義手を作るというアイデアを思いつき、彼はスキャナーと3Dプリンターを使って義手作りを成功させています。ベンはこのことをキッカケに、非営利会社Ambionics Ltd.を設立。現在の目標は、世界中の子どもたちにわずかな費用で義手を提供することです。

以下はAmbionics Ltd.が開発した義手の映像