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2021年 米国ではコンサートチケット購入者が来場しないケース大幅増 ベテランアーティストでは5人に1人が来場せず

2021/12/18 17:20掲載
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Concert Audience
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米国では今年、ライヴ音楽ビジネスが再開されましたが、コンサートのチケットを持っていても来場しないという現象が起きており、音楽業界を揺るがしています。ベテランアーティストの公演ではチケット購入者の5人に1人が来場しなかったという。

新型コロナウイルスのパンデミックですでに大きな打撃を受けているライヴ音楽業界。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ツアーが復活したにもかかわらず、未使用のコンサート・チケットが増えているという。中でも、新型コロナウイルスの重症化リスクの高い高齢者も多い、ファンの年齢層が高いベテランアーティストの影響が大きいようです。

同紙は「ジョージ・ストレイト、イーグルス、デッド&カンパニーなどのメジャーアーティストの公演では、チケット購入者の20%以上が来場しなかったこともある」と報じています。以前からチケット未使用はありましたが、パンデミック前は、チケットの未使用率は1%から3%程度でした。

Live Nationによると、今年全体のチケットの未使用率は17%でした。小規模なクラブや劇場では、コンサート参加者が狭いスペースを共有する屋内会場にファンが不安を感じているため、チケット未使用率が25%から30%と高くなっています。

当然のことながら、何度も延期・再延期を繰り返しているコンサートほど、チケット未使用の可能性が高くなります。チケットを持っていたことを忘れてしまったり、払い戻しのタイミングを逃してしまったりするからです。米国ではこの2年間で、コンサートの延期は史上最多となっています。

コンサートの参加者は通常、食事や飲み物、駐車場、商品などにお金を使います。ファンが来場しないと、これらの収入源がなくなるため、会場側としては、ファンがいなくなることを特に心配しています。

米ビルボードのライブミュージック&ツアー部門のシニアディレクターであるデイヴ・ブルックスは、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に「人々はますます行かないことを選ぶようになっている」「何が彼らを復活させるのか?はっきりとしたことはない。もし人々が安全ではないという考えを持ってしまったら、多くの顧客を失い、永遠に失われる可能性があるのです」「通常の状態に戻るには時間がかかるでしょう」「2022年は険しい道のりになるでしょう」と話しています。