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ロックの名だたるギタリストに多大なる影響を与えたリンク・レイのドキュメンタリー映画 制作中

2021/11/08 01:25掲載
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Link Wray
Link Wray
ディストーション・サウンドとパワーコードの先駆者として、後のギタリストに多大なる影響を与えたリンク・レイ(Link Wray)。ドキュメンタリー映画が制作されています。米サイトDeadlineが報じています。

リンク・レイことフレデリック・リンカーン "リンク" レイ・ジュニア(Frederick Lincoln "Link" Wray Jr)は、1950年代後半に人気を博したギタリスト/ソングライター/ヴォーカリスト。

代表曲は1958年のインストゥルメンタル曲「Rumble」。詞のないインストゥルメンタルであるにもかかわらず「少年犯罪を助長する」という理由でいくつかのラジオ局で放送禁止処分を受けますが、アメリカのみならずイギリスでも大ヒットとなります。このヒットにより、ジミー・ペイジ、ピート・タウンゼント、ニール・ヤング、ボブ・ディランなどのアーティストに影響を与えました。ピート・タウンゼントは後に「彼は王者だ。彼と“Rumble”がなかったら俺はギターを持たなかった」と述べています。

リンク・レイは、活動開始当時からエレキギターの可能性を広げるパイオニアとして様々な新しいサウンド作りに挑戦。現代のギタリストが使用する様々なサウンドプロダクション、方法論の開祖として知られ、またパンク、ヘヴィロックの先駆者のひとりでもあります。

また、ノースカロライナ州で育った彼と彼の家族は、先住民であるがゆえの差別を経験しています。

今回のドキュメンタリーは、以前はロック・アーティストのマネージャーだった、英国のドキュメンタリーディレクター兼プロデューサーのジョン・ブリューワーの制作会社であるカーディナル・リリース社が制作を担当します。

ブリューワーは、これまでにB.B.キング、チャック・ベリー、ナット・キング・コール、ガンズ・アンド・ローゼズ、ジミ・ヘンドリックスなどの音楽ドキュメントを制作したことで知られています。

ブリューワーは今回のドキュメンタリーについて次のように語っています。

「私は、名前を口にした瞬間に世間の注目を浴びるようなアーティストと人生を共にしてきましたが、このアーティストはそうではありません。リンク・レイのコードがあまりにも魅力的だったため、街での暴力行為を誘発しないようにと、発売と同時にラジオでの放送が禁止されました。これは、私にとって初めての経験です。リンク・レイの生い立ちについては、私たちも時間をかけて調べましたが、貧困にあえぐショーニー・インディアンとして育った彼の生い立ちと、その後の人生との落差だけでも、ひとつの映画になるとっても過言ではありません。このリサーチを始めてから、私たちは物語に魅了され、すっかり夢中になりました。そして音楽ですが、これは私たちの得意とするところです」