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ジョン・レノンの未発表曲やインタビューを収録した70年録音カセットテープ 650万円で落札

2021/09/29 11:14掲載
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The cassette is being auctioned alongside Polaroid photos. Photograph: Ida Marie Odgaard/Ritzau Scanpix/AFP/Getty Images
The cassette is being auctioned alongside Polaroid photos. Photograph: Ida Marie Odgaard/Ritzau Scanpix/AFP/Getty Images
ジョン・レノン(John Lennon)がデンマーク滞在中の1970年、地元少年のインタビューに応じた際のやりとりや、未発表曲を歌った音声を収録したカセットテープがデンマークで競売にかけられ、370,000デンマーク・クローネ(約650万円)で落札されています。

オークションハウスのBruun Rasmussenによると、ジョンは1969年から1970年の冬の間、デンマークの西海岸にある小さな町に滞在しました。

ジョンは1969年12月末、妻であるオノ・ヨーコ(Yoko Ono)と共にデンマークを訪れ、ユトランド半島北部で父親と暮らしていたヨーコの娘キョーコ(父親はアンソニー・コックス)と過ごしました。この滞在は、最初はほとんど知られていませんでしたが、彼の存在が明らかになると、あっという間に騒ぎになってしまい、ジョンは1970年1月に記者会見を開きました。

地元の学校で学校新聞の編集担当をしていた16歳の少年4人もこれを知り、憧れのスターにインタビューしようと、学校の先生を説得して会場に向かいますが、吹雪で遅れてしまい、記者会見には間に合いませんでした。が、少年4人や、他の遅れてきた数人のジャーナリストたちは招待されて、ジョンはインタビューに応じています。

少年たちは借りてきたカセットレコーダーとマイクを使って、その様子を録音し、写真を撮っています。

当時の少年の1人、Hoejen(68歳)は「話をして楽しく過ごしましたよ。ジョンは僕に“どこから来たんだ?ラジオ局か?”と尋ねたので、“いや、学校の新聞からです”と僕は答えたんだ」。

今回出品されたカセットテープは、この少年4人が当時録音したもので、33分間のテープの中には、4人の少年から「平和運動に貢献するにはどうしたらいいか」と尋ねられたジョンが「自分で何も思いつかないのなら、僕たちがやっていることを真似しなさい。座って、地元で何ができるかを考えるんだ」と答えている様子のほか、ビートルズのイメージについて不満を言ったり、髪の長さについても話しています。

また、少年がギターで曲を弾いてくれるように頼むと、ジョンは「Give Peace a Chance」をアドリブを交えて演奏した後、「Radio Peace」という短い未発表曲を演奏しました。この曲は、ジョンがアムステルダムで立ち上げたいと考えていたラジオ局のテーマ曲になる予定でした。

Hoejenは「ラジオ局は開設されず、曲もリリースされませんでした。僕たちの知る限り、この曲が存在するのは僕たちのテープだけです」と話しています。

オークションは9月28日にコペンハーゲンで行われました。テープには、少年たちがジョンらを撮影した写真や学校新聞も添えられています。落札者は明らかにされていません。