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ボン・ジョヴィ『Slippery When Wet』35周年 担当写真家がジャケット・カヴァーにまつわる論争について語る

2021/08/20 16:25掲載
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Bon Jovi / Slippery When Wet
Bon Jovi / Slippery When Wet
ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)が1986年8月18日にリリースしたアルバム『Slippery When Wet』。発売35周年にあわせ、写真家マーク・"ワイスガイ"・ワイスが、このアルバムのために撮影した写真にまつわる論争について、ポッドキャストビデオ「The Decade That Rocked」で語っています。

このアルバムのジャケット・カヴァーは当初、アルバム・タイトルが書かれている濡れたTシャツを着た女性の胸部のアートワークが使用される予定でしたが、過激であるという意見などがあり差し替えられました。代わりにゴミ袋にジョン・ボン・ジョヴィがSlippery When Wetと書いたものが採用されました。

「彼らはアルバムを完成させて家に帰っていたが、アルバムのタイトルは#5にインスパイアされて『Slippery When Wet』に変更された。#5は彼らがレコーディングしていた場所の近くにあったバンクーバーのストリップ・クラブだ。

ビーチで写真を撮って、新しいアルバムタイトルの入ったシャツを着た女の子たちにポーズをとってもらおうというアイデアだったんだ。ジョンは当時、ニュージャージー州ブラッドリービーチのビーチの真向かいに住んでいて、そこで撮影を行った。男たちは皆、車やバイク、そして女の子を連れてやってきた。もう少し女の子が必要だったので、通りの向こう側まで歩いて行って、何人か引っ張ってきた。アシスタントのダニーは、ティコと一緒に通りの向こう側を散歩して、注文通りの女の子を連れてきてくれた。アンジェラという名前のイタリア人のホットな女の子だ。この子がジャケットの女の子だ。そして、石鹸と水を持ってきて、洗車パーティを始めた。その写真はアルバムのジャケットに収められた」

「アルバムは完成した。レーベルは20万枚の『Slippery When Wet』に、濡れたTシャツを着た彼女をプリントしてくれた。すべての準備は整っていた。しかし、これは1986年のことで、PMRC(※ペアレンツ・ミュージック・リソース・センター/規制団体)が本格化していた。レコード店は、露骨な内容やイメージを緩和しないとレコードを売らないとレーベルを脅していた。ポリグラム・レコードは、せっかくの大ヒットアルバムを危険にさらしたくはなかった。そこで、俺たちは白紙に戻って別のジャケットを作ったんだ」

「ジョンがニューヨークの俺のスタジオに来たのは、新しいジャケットを考えなければならないというニュースの直後だった。彼はただ俺に“ゴミ袋。スプレーボトル”と言った。俺はゴミ袋を立てかけてスプレーを吹きかけ、ジョンは“Slippery When Wet”という文字を書いた。“これだ、これがカヴァーだ”。彼はポラロイドを見るのも待たなかった。翌日、俺は写真を届け、それから歴史が始まった」

このポッドキャストビデオ「The Decade That Rocked」には、アルバムカヴァーに登場する「Slippery When Wet」ガールとして知られるアンジェラ・チドニーも登場しています。