Stanley Mouse / Power of Soul & Journey / Departure
ジャーニー(Journey)の複数のアルバム・カヴァーに登場する甲虫「スカラベ」。そもそもなぜ「スカラベ」なのか? その答えは
ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)にあるという。
サイトUltimate Classic Rockによると、グレイトフル・デッドなどでも知られサイケデリック・アートの巨匠スタンリー・マウスは2017年にNBC Bay Areaの取材に応じ、クリエイティブ・パートナーである60年代サイケデリック・カルチャーの一翼を担ったグラフィック・アーティストのアルトン・ケリーについて語るなかで以下のように述べています。
「ジミ・ヘンドリックスのアルバムカヴァーを作る仕事があったんだ。完成した矢先に(ヘンドリックスが)死んでしまったので、アルバムカヴァーはお蔵入りになってしまった。それは翼を持ったスカラベのようなもので、とてもアールヌーボー的で、エアブラシで描かれたものだった」
このお蔵入りとなったアートは現在、「Power of Soul」というタイトルで販売されています(詳しくは
こちら)。
スタンリー・マウスはこう続けています。
「その後、サンフランシスコに戻ったとき、ジャーニーのベーシストと知り合いだったので、彼がやってきて、“アルバム・カヴァーを作ってくれないか”と依頼された。それで、ジミ・ヘンドリックスのスカラベをジャーニーのエンブレムに変形させて、ジャーニーのスカラベが生まれたんだ」
ジャーニーのメンバーは以前のインタビューの中で「スカラベ」についてこう述べていました
「スカラベについての話は聞いたことあるかな?エジプトではその虫は神秘的で重要な生き物だと思われている。一年に一度土の中に入って行き、しばらくすると出てくるから、土の中で一度死に、生まれ変わって地表に出てくるのだと言われてもいる。実際は、土の中で卵を産んでから死に、生まれて来た子供が雨が降った時に出てくるんだ。だからこの虫は、生まれ変わり、再生、輪廻、といったことを象徴しているんだ」