クイーン(Queen)のブライアン・メイ(Brian May)は、1992年ソロ・アルバム『Back To The Light(邦題:バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜)』のリマスター再発にあわせ、収録曲「Driven By You」のミュージックビデオのリマスター・ヴァージョンを日本時間6月25日(金)深夜24時にYouTubeで公開します。またブライアンは同曲のパフォーマンス映像も公開しています。
『Back To The Light(邦題:バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜)』のリマスター・ヴァージョンは8月6日発売。
「好奇心をそそるオマケが盛り沢山の、ブライアン・メイ再発シリーズはいかがかな?」――クイーンの伝説的ギタリスト、ブライアン・メイが、自身のインスタグラムでそう問いかけたのは2020年のことだ。「今、計画を立てているところなんだ!!!」と。そして今回、ブライアンの傑作ソロ・デビュー・アルバム『バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜』(原題: Back to the Light)が待望の復刻を果たし、その計画の第一段階が実現することとなった。発表から約30年が経つ『バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜』は、同世代のギタリスト/ソングライターの中でも最重要な一人であるブライア
ンの才能と、彼の不屈の精神の証として存在する、個人的かつ多角的な作品だ。 1992年9月の発売当時、『バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜』は文句なしの大ヒット作であった。全英アルバム・チャートで6位を記録した同アルバムは、不朽の名シングルを次々と輩出。「ドリヴン・バイ・ユー」(原題: Driven by You)[*1991年11月発売]が全英シングル・チャート6位にランクインした後、1992年4月にウェンブリー・スタジアムで開催された〈フレディ・マーキュリー追悼コンサート〉でクイーン・ファンに披露され、感動的なパフォーマンスが話題を呼んだ「愛の結末」(原題: Too Much Love Will Kill You)は、全英5位を記録した。さらに壮大なアンセム「バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜」(原題: Back to the Light)と、陽気な「華麗なる復活」(原題: Resurrection)も全英シングル・チャート入り。また、インストゥルメンタル曲「地平線の彼方へ」(原題: Last Horizon)は、ブライアン・メイ・バンドのソロ・コンサートのみならず、後にクイーンとして復帰を果たしたメイのライヴ定番曲となっている。 ある時はロック調、またある時は思索的なこれらのシングルが伝えているのは、アルバム本体が持つ深みと広がりだ。冒頭を飾る「ザ・ダーク」(原題: The Dark)は、クイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」を内省的に再構成。その後、次第に音量を増し、シンフォニックなクライマックスへと到達していく。それに続く力強いアルバム表題曲「バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜」では、多重録音したヴォーカル、幸福感に溢れたコーラス、そしてザクザクと鳴り響くギターが整えた舞台の上で、メイの本領が存分に発揮されている。次の「ラヴ・トークン」(原題: Love Token)は、別れの物語をブルース・ロックに乗せて描いた、ブライアンによる“ママとパパの歌”[*家族を題材に両親の夫婦仲を歌った曲]の一つだ。「華麗なる復活」は、ドラマーのコージー・パウエルとの共作曲で、キーボードには敬愛するロック・ミュージシャン、ドン・エイリーを起用。煌びやかでハイエナジーなこのロック・ナンバーには、恐らく「ボヘミアン・ラプソディ」と同じくらい多重的なオペラ調のオーバーダブが施されている。離れ業と言うべきメイのギターと、華々しくも凄まじいパウエルのドラムがフィーチャーされたこの曲を、本アルバムで最も傑出した曲だと評する人は数多い。歌詞の内容は個人的な体験に基づいており、そこに描かれているのは、心に悩みを抱えながらも、“未来の約束”に希望を見出そうという決意である。 「愛の結末」は、自身の人生でレコーディングした曲のうち最も重要なものだと、ブライアンが語っている、痛切な告白の歌だ。同曲は、音楽家垂涎の的であるアイヴァー・ノヴェロ賞(最優秀作詞作曲・楽曲部門)を受賞。後にクイーンの曲として別ヴァージョンが発表された。「ドリヴン・バイ・ユー」は、聴き手を鼓舞するコーラスが印象的な耳に快いロックで、車のテレビ・コマーシャル用の曲をフォード社から依頼され、ブライアンが引き受けた結果出来上がった曲だ。この曲でのブライアンのヴォ
ーカルを賞賛したのは、ほかでもないフレディであった! 胸が張り裂けるような思いをさせる「ブルーな気持ち」(原題: Nothin’ but Blue)は、コージー・パウエルとの共作名義で、彼のアルバム『ザ・ドラムス・アー・バック』(原題: The Drums Are Back)に収録されている「サムホエア・イン・タイム」(原題: Somewhere In Time)の姉妹曲。この曲をブライアンが書いたのは、フレディ・マーキュリーが亡くなる前夜のこと。ゲストとしてクイーンのジョン・ディーコンがベースに特別参加している。 浮かれ騒いだ雰囲気の「アイム・スケアード」(原題: I’m Scared)では恐怖心を吐露している一方、「地平線の彼方へ」では表情豊かなギター・ワークで安らぎを得ようとしているブライアン。また、スキッフル界のスター、ロニー・ドネガンのために書いた「想いのままに」(原題: Let Your Heart Rule Your Head)では、朗らかなメロディを容易く操れる様を彼流に証明している。「ジャスト・ワン・ライフ」(原題: Just One Life)は、今は亡き愛する人への哀悼の意を表した胸を打つ曲だが、ブライアンが実際には一度も会ったことのない相手――追悼番組や記事等でその生涯が称えられた際に初めて知った人物――について書いた曲という点で非常に珍しい。 最後を締め括るのは、本アルバム唯一のカヴァー曲であるスモール・フェイセスの「ローリン・オーヴァー」(原題: Rollin’ Over)だ。喜びに満ちたこの曲では、ブライアンの初期のロック・ルーツが再現されている。
このアルバムの制作にあたり、彼は友人や名高いコラボレーター達の協力を仰いだ。ジョン・ディーコン、コージー・パウエル、ドン・エイリーに加え、ベースにはニール・マーレイとゲイリー・ティブス(アダム&ジ・アンツ、ロキシー・ミュージック)が、ドラムにはジェフ・ダグモア(「想いのままに」「ローリン・オーヴァー」)が参加しており、また、マイク・モランが3曲でピアノ/キーボードを提供。ヴォーカルには、イギリスの著名歌手クリス・トンプソンが(「ローリン・オーヴァー」で)アシストに加わっている他、ミリアム・ストックリー、マギー・ライダー、スージー・オリスト、ジル・オドノヴァンが、随所でバッキング・ヴォーカルを披露している。 CD盤、アナログ盤レコード、デジタル配信(ストリーミング再生、ダウンロード購入)のいずれでも、本作は長らく入手不可能な状態にあった。今回の待望のリイシュー版で音響監督の任に就いたのは、ジャスティン・シャーリー=スミスとクリス・フレドリクソンだ。オリジナル盤のライナーノーツでブライアンは、シャーリー=スミスについて、「僕の気まぐれなレコーディング習慣に付き合ってくれた」共同プロデューサー兼エンジニアとして紹介。1984年からクイーンと仕事をしているシャーリー=スミスは、「ブライアンは完璧主義者で、自分の満足がいくまで、何事も決して途中で放り出したりしないんだ」と、語っている。 サウンド・エンジニアのフレドリクソンは、そういった完璧主義を今回のリイシューに反映させたいと考えた。「しばらく入手不可能だったものを今回リイシューするのであれば、世界最高のマスタリング・エンジニアにリマスターしてもらってはどうだ?と、僕らは考えたんだ」と、彼は述べている。そこで登場したのが、グラミー賞受賞者のボブ・ラドウィックだ。彼はオリジナルのマスターテープからフラットなミックスを復元、それを基に今回の『バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜』のニュー・エディションに取り組み、これまで以上に素晴らしいサウンドになるよう仕上げた。 一方、フレドリクソンは、CD2の『アウト・オブ・ザ・ライト』(原題: Out of the Light)に収録するボーナス・トラックを手に入れるため、広く網を張り巡らせた。心に響く「ブルーな気持ち」「愛の結末」「ジャスト・ワン・ライフ」のインスト・ヴァージョンでは、ブライアンのレッド・スペシャルの音色が雄弁に心情を物語っている。さらに「ドリヴン・バイ・ユー・トゥー」[*「ドリヴン・バイ・ユー」のインスト]と、フォードCMヴァージョンの「ドリヴン・バイ・ユー」、そして「ドリヴン・バイ・ユー」(コージー&ニール・ヴァージョン ’93)という別ヴァージョン3つを、その他の様々な曲のライヴ音源と共に収録。ライヴ・ヴァージョンの「’39 / 想いのままに」(原題: ’39 / Let Your Heart Rule Your Head)
「地平線の彼方へ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」は、ブライアン・メイ・バンドとして1993年6月15日に行われ、大成功を収めた英ロンドン・ブリクストン・アカデミー公演で収録されたもので、そのライヴの模様はアルバム『ライヴ・アット・ブリクストン・アカデミー』(原題: Live at the Brixton Academy)やビデオでもリリース。ブライアン・メイ・バンドには、パウエル(ドラムス)、スパイク・エドニー(キーボード)、ジェイミー・モーゼス(ギター)、ニール・マーレイ(ベース)、そしてバッキング・ヴォーカルにキャサリン・ポーターとシェリー・プレストンが参加していた。また、「愛の結末」のライヴ・ヴァージョンは、1993年4月6日にロサンゼルスのパレス・シアターで録音されたものだ。その前夜、ブライアンとスペシャル・ゲストのスラッシュは、米NBCの人気番組『ザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・ジェイ・レノ』に出演し、クイーンのライヴ人気曲「タイ・ユア・マザー・ダウン」で共演。曲の途中でブライアンは、「ようこそ、Mr.スラッシュ」と、彼を紹介し、ガンズ・アンド・ローゼズのギタリストであるスラッシュは、メイが何世代にもわたって影響を与えて続けている存在であることを改めて世に知らしめた。 今回のリイシューを記念して、『バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜』のコレクターズ・エディション・ボックス・セットが併せて発売される。この豪華セットには、ボックス・セット限定のカラー盤(白)LPレコード1枚と、2枚組CDに加え、32ページの別冊本、12インチのアートプリント、ダウンロード・カード、エナメル・バッジが付属。この全てが蓋付きの箱に収納されている。Queen Online Storeでは、このボックス・セットにサイン入り12インチ・アートプリントが付いた限定版(1,000枚)も購入可能だ。また、同アルバムは、高音質180g重量盤のLPレコード(1枚)、CD1枚の通常盤、CD2枚組のデラックス盤、カセット・テープ、デジタル・フォーマットでも発売され、『アウト・オブ・ザ・ライト』はボックス・セット、CD2枚組、及びデジタル・フォーマットで入手可能となっている。なお、Queen Online Store限定で、ピクチャー・ディスク(LPレコード1枚)の限定盤も発売予定だ。
1CD バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜 BACK TO THE LIGHT 品番: UICY-16011 価格: 1,980円(税込)
2CD バック・トゥ・ザ・ライト〜光にむかって〜【デラックス・エディション】 BACK TO THE LIGHT Deluxe 品番: UICY-79738/9 (CD2枚組) 価格: 3,960円(税込) ※日本盤2CD【デラックス・エディション】のみ1993年のブライアンのソロ来日公演時のパンフレットのミニチュア(全20ページ)封入!! こちらのパンフレットは、1993年来日時と同じ全編英語版のミニチュアになります。
DISC 1 1. The Dark 2. Back To The Light 3. Love Token 4. Resurrection 5. Too Much Love Will Kill You 6. Driven By You 7. Nothin’ But Blue 8. I’m Scared 9. Last Horizon 10. Let Your Heart Rule Your Head 11. Just One Life 12. Rollin’ Over
DISC 2: OUT OF THE LIGHT 1. Nothin’ But Blue (Guitar Version) 2. Too Much Love Will Kill You (Guitar Version) 3. Just One Life (Guitar Version) 4. Driven By You Two 5. Driven By You (Ford Ad Version) 6. Tie Your Mother Down (Featuring Slash) / Live on the Tonight Show with Jay Leno, 5th April 1993 7. Too Much Love Will Kill You / Live at the Palace Theatre, Los Angeles, 6th April 1993 8. ‘39 / Let Your Heart Rule Your Head / Live at the Brixton Academy, 15th June 1993 9. Last Horizon / Live at the Brixton Academy, 15th June 1993 10. We Will Rock You / Live at the Brixton Academy 15 June 1993 11. Driven By You – Cozy and Neil Version ’93